EMのしくみ                        戻る

 現在では非常に数多くの発酵食品が知られていますが、もともとの始まりは口に入れた米を出して放置したら発酵して酒になった…、革の袋に入れた牛乳がヨーグルトになった、などの偶然から始まった物が多いとされています。これらは特に種菌を植えつけずにできた物であり、このように実は身近な空気中や物体の表面など、あらゆる所に有用な微生物は存在しているものです。
 ただし、一般に酸素の多い現在の大気中では、酸素を使って有機物を分解する(酸化)微生物の 勢力の方が強いのが実体です。
 この酸化分解とは、ほとんどの場合、腐敗を意味します。 そのため、食品を加工する業種では、純粋な有用菌だけを単一で植えつけるように技術が進んだと言えます(下記の表を参照)。
 それ以外の環境、土壌や水中は空気中よりはるかに微生物の密度が高く、その場の微生物の種類によって状態が大きく変わります。たとえば畑の場合、腐敗型の微生物が多いと植物は病気になりやすく、害虫も多く発生し、逆にいい畑は植物がすくすくと育ちます。このような違いの事を、一般 に微生物相と呼んでいます。どのような環境にしろ、生き物や微生物たちはお互いのバランスの中で生活しているのですが、微生物の種類によっては、分泌物を出すことによって自分たちの住みやすい環境を作ろうとするものもいます。

 さて、環境の悪い状況だとしたら、それを打開するためには、どうしたらいいのでしょうか。
 それには、微生物相を変化させる事が不可欠と言えます。 そして有用な微生物を多くしてあげる事が環境を変えて行くのです。

 じつは、EMを投入することで、全体の微生物相そのものを蘇生の方向に変化させる事ができます。
 普通、土の1g中には約1〜10億 もの微生物がおり、EMといえども数で圧倒 する訳ではありません。EMに含まれる80種類以上の微生物がリーダー的な存在となり、現場に最初からいる微生物(日和見菌)を連係させて働かせる事ができるので、投入した量 以上の効果が出るのです。

 EM技術とは、このような強力な菌を共生させる技術が前提にあり、微生物による抗酸化力を活かした技術です。

 またEMが他の微生物資材と違うのは、培養して増やす技術を公開していることです。これはEM活動の目的がイデオロギーを超えて世界中の環境を良くする事だからです。


上に戻る