分野毎のEM活用方法


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水産・養殖

 日本では、海老や鯛、ハマチ、ヒラメなどの養殖が盛んに行われています。これまで養殖場では、与えられるエサや排泄物がヘドロとして堆積したり、水質を汚濁するなど、環境の悪化を引き起こす弊害が問題となってきました(ヘドロは、与えた餌の食べ残しが沈殿して腐敗したもので、メタンガスなどを発生します)。
 水産・養殖の分野においても、考え方は畜産の分野と同様で、環境の微生物相を良くし、ヘドロを防止する目的でエサに1パーセント程度、閉鎖型の場合は水にも全容量の1万分の1程度のEMを加えることがポイントです。またEM・Xセラミックスを沈めるのも効果があります。
 またEMを混入したエサを与えることにより、有機物を分解してヘドロの堆積を減少させ、水質を浄化するなど、環境への負荷を低減することができます。
 海老の場合、出荷が終わったあとで養殖池を干すことが多いのですが、この時にヘドロが分解されないと病気が多発することになります。養殖池を干す際EMにボカシを撒いて耕し、日光で消毒することで環境を改善できます。EM・3がヘドロ対策に効果があるという報告も出始めています。
 その他養殖漁業でも、EMを使用したことで、魚病の減少や薬剤の投与量の低減、稚魚の生存率の向上などがはかられる例が見られます。
 また、これまで処分の難しかった農水産加工場の廃棄物や生ゴミ、家畜の糞尿などもEMで発酵処理することにより、飼料として活用する道が開けます。発展途上国では、EM処理された家畜のし尿をイケスに流し込み、水中のプランクトンを大量に発生させることで、特にエサを与えなくても魚が成長するといったリサイクルファームを経営している例も多く見られます。
 ただし、一般に自然の地形を利用することが多い養殖の場合、人工的な環境の畜産に比べて温度や環境の変化を受けやすい特徴があります。これらを観察して対応する経験と勘が必要なため、養殖はマニュアル化が難しい分野です。
 赤潮などの自然災害に対するEM使用は、まだほとんど実例はありませんが、赤潮の出るような海をEMで元に戻すためには、陸からの努力も不可欠だと考えられます。


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