【北陸発】北陸路走る 伝統と未来 新幹線デザイン決定
JR西、東が共同開発 コンセプト「和」二〇一四年度末の金沢開業を予定する北陸新幹線の新型車両のデザインを、JR西日本金沢支社が四日発表した。コンセプトは「和」。車両はJR西、東日本が初めて共同開発し、日本人で初めてフェラーリのデザインを手掛けた奥山清行氏が監修した。(基村祐一) 新型車両は長野新幹線のE2系(あさま)をベースに開発。シャープな流線形のデザインは川崎重工業が担当した。車体上部は青、車体色はアイボリーホワイト。側面には北陸の伝統工芸品である銅器や象眼の銅色と青色のラインを配し、伝統と未来イメージの融合を表現した。 内装には壁や床に漆をイメージした色彩、ソファに格子柄のデザインなどを採用。西日本の担当者は「全体的な和のデザインで日本の雰囲気を出しながら北陸にも考慮した」と説明した。沿線自治体が要望した伝統工芸品の活用は防火の観点から見送られた。
乗り心地やブレーキ性能を高め、座席でパソコンを使えるようコンセントを増設。新幹線では初めて、すべてのトイレに温水洗浄便座を配備した。 十二両を一編成とし定員は計九百三十四人。東北新幹線に初めて導入されたファーストクラス「グランクラス」一両を導入。グリーン車は一両、普通車は十両とした。東日本は十七編成、西日本は十編成を製造する。最初の編成が完成するのは東日本が一三年秋、西日本は一四年春を予定している。 おもてなし精神と一致金沢市は有識者による研究会をつくり金沢の伝統工芸を配した内装案をまとめ、昨年1月、JR西日本に提案していた。 山野之義市長は「くつろぎや優しさ、人をもてなす心を感じる空間デザインという市のコンセプトと合致し、北陸への旅の期待感が表現されている」とコメント。「2年半後に迫る金沢開業への機運がさらに高まり、首都圏などでの誘客活動に一層の弾みがつく」と期待していた。(田嶋豊) PR情報
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