名古屋−刈谷 後半、2点目のゴールを決め喜ぶ名古屋・小川(右)=テクノポート福井スタジアムで
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目の覚めるような小川のファインゴールが北陸のファンのため息を誘った。後半21分、敵陣中央付近でこぼれ球に反応。「最近シュートを打つチャンスが少なかった。きょうは思い切って打とうと決めていた」と利き足ではない左足を一閃(いっせん)。約35メートルのロングシュートを左スミに突き刺した。
「入ったのはたまたま」と小川は照れ笑い。食い下がるFC刈谷に引導を渡す、貴重な追加点になった。
自らに課した“懲罰出場”が吉と出た。1日のJ1柏戦では不調で前半終了時に交代を命じられた。翌2日、通常なら先発組は軽めの練習で終えるが、小川はサブ組の練習試合に志願出場した。
「半分しか出られない悔しさがあった。休んでいる場合じゃないと思ったから、自分から『出たい』と言った」。異例の2日連続スタメンで自らのプレーをチェックし、1週間後のリベンジにつなげた。
もともとシュートのパンチ力は絶品。市立船橋高3年時には全国高校サッカー選手権決勝で優勝を決めるロングシュートをたたき込んだ。プロ入り後も果敢なミドルで得点を重ねてきたが、近年は得点数が減少。今季もJリーグで1得点だけに、福井で決めた豪快弾が得点量産への分岐点になる可能性がある。
「自分のポジション(MF)で点を取れないとチームは勝てない。もっと得点を意識していきたい」。苦戦しながらもFC刈谷を下して3回戦に進出したグランパス。小川の復調はJリーグにもつながる大きな収穫だ。 (木村尚公)
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