せんごくっ‼ 第三話 対面、美濃の蝮
現在、正徳寺にて美濃の蝮、斎藤道三との同盟会見の真っ最中。
俺の横には、先程合流した前田犬千代と、目測Gカップの巨乳武将、柴田勝家。
「さて、美濃の蝮‼私にはあんたの力が必要よ‼私に妹をくれるわね?」
バカか?美濃の蝮ともあろう狒々ジジィがそんな簡単に…。
「さて、それはどうかのぅ?」
道三はニヤリと笑って、
「尾張のうつけ姫がどれほどの技量かわからんしのぅ」
「私は日本で天下を盗って、世界を回るの‼美濃は私がもっといい国にしてみせるわ‼全ての人が平等に過ごせる国にするわ‼」
「そなたがうつけと言われる理由が良くわかったわ‼そなたは日本どころではなく世界をみていたのじゃな」
「蝮、今のはここだけの話よ。余人に聞かせれば、うつけどころか気が触れているといわれるわ」
「ここに理解出来る者がおりまする‼」
と、飛び出したのは道三の従者。デコが広いが、犬千代、五右衛門、勝家に並ぶ美少女だ。
「十兵衛。熱くなってしまったのじゃな。だが今は早い。下がっておれ」
「…御意」
「道三、信長、俺も一応わかってるぜ?そういうの」
俺が前に出ると、
「響、口を慎みなさいっ‼」
「いや、これ以外の喋り方を俺はしらねえ」
「彼奴はだれじゃ?」
「先刻、今川陣にて拾った剣士よ」
「御剣城響だ。以後、お見知りおきを」
「なかなか見所のありそうな坊主じゃのう」
そして、一呼吸置いて。
「して、美濃が欲しいということじゃったな、信長殿」
「ええ、美濃が私にもらわれたがってるのよ」
「ふふふ…老いたとはいえ、それは出来ぬ相談よ」
「そうくると思ってたわ。私も、タダでくれとは言わないわ」
「そなたが一代の英傑であるとわかってしまった以上、戦ってみたくなってしまったからのぅ」
「そうなの。あんたがそこまでいうなら、戦ってあげてもいいわよ?」
「それでは、開戦か」
「ええ、そうね」
それは、マズイな。
「家臣としてそれは許可できない」
「あんたはいつから家臣になったのよ‼」
「黙れ、信長。道三、あんたの内心をうち明かしてやろう」
「響‼やめなさい‼」
「よい、座興じゃ、言ってみろ」
「よし、あんたは物分りがいいな。さて、あんたは信長には勝てないと解りきっている。そして、あんたは城に戻ってこう言う。『ワシの子供達は、尾張のうつけ姫の門前に馬をつなぐことになる』と」
道三自身が、負けることを宣言するということだ。
「ちょっと響‼あんた私より口が悪いわよ⁉」
信長は顔を少し青くして俺にいう。
「なんと…?」
「な?」
俺は後ろの犬千代達に笑いかける。
犬千代と勝家は驚きの表情を浮かべたままだ。
「未来から来たからわかるんだよ。おれには」
「未来…まさか…のぅ」
「あんたは迷ってても、必ず書くよ。文書をな」
「しかし、美濃の蝮として、信長殿と戦いたいと言うのが本心‼」
「黙れ。あんたは書く。本当は戦いたくないだけだ。結局戦いから逃げてるだけだ」
俺の有無を言わせぬ言動に、道三は押し黙り、口を開いた。
「信長殿、織田家に侍無しとは、たばかられたのう。この小僧のお陰で気が変わった。我が義娘に受け継いでもらうことにするわい」
「蝮⁉」
不服そうな顔の信長と、してやったりの俺達をそのままに、道三は、
「信長ちゃんは、ワシの娘じゃ‼というわけで、ちょっとだけお尻を触らしてくれんかのう?」
「なんであんたなんかに触らせてやらなきゃいけないのよこのエロジジィ‼」
こうして、美濃と尾張の同盟会見は平和に終わった。
追想。その後、犬千代、勝家、五右衛門の熱い視線が妙にくすぐったかった。
>>>>>GO TO THE NEXT‼>>>>>
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。