せんごくっ‼ 第一話 出会い
ーーーあんた、あたしの家来になりなさいっ‼ーーー
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『ぐああああぁぁぁぁ‼』
『討ち取ったりぃぃっ‼』
ドドドドッと鳴り響く馬の足音。
目の前を行ったり来たりするのぼり。
そしてーーー飛び散る血飛沫ーーー。
「なっ…なんだこれ…夢か…?」
つーかどこだここ。俺は高校の歴史の授業を受けてて…確か、織田信長の、桶狭間の戦い。
んでもって、めんどくせーから寝てたら…。
これだ。
目の前ののぼりには織田家の家紋。
そして今川家の家紋。
これじゃまるで…桶狭間の戦いじゃねえか⁉
俺の腰には日本刀。
これは常時持ち歩いているのだが…。
このままだと…。
『あやつ‼織田軍の者か⁉討て!討てぃ‼』
やっぱり‼そりゃそうだ!巻き込まれる‼
「つっても、逃げなくてもーーー」
俺は駆け出し、こちらに駆けてきた足軽三人をーーー。
「一の太刀」
一人。
「二の太刀」
二人。
「三の太刀」
三人。
と、斬り捨てる。
勿論峰打ちだが。
『こやつ…』
と、そいつらを片付けた俺の視界に入ってきたのは、
「おいおい…マジかよ」
十人程の武士に囲まれる騎馬の少女。
いくら夢でも…助けない訳にはいかないか…。
俺は全速力で駆け出す。
なんか知らんけど、めっちゃ足早いんだ。俺。
あっという間に辿り着いた俺は、
「よっと」
跳び上がり、その少女の元に着地する。
「大丈夫か?」
「誰よ、あんた」
「通りすがりの剣士です…よっ‼」
俺はまず目の前の三人を斬る。
「ちょっと、あんた⁉」
「うるせえ‼剣が使えるんだったら戦え‼」
俺が五人を片付けた後で、少女を見ると、
後ろから、一本の槍先が後ろから迫っていた。
「おまっ‼」
俺は咄嗟にその少女を抱きしめて守る。
その槍先は俺の肩を斬る。当然夢だから痛くなーーー
「いっつぅッ⁉」
「バカ!あんたなにしてんのよ⁉」
俺は痛みを堪え、刀を振るう。
命が危ねえんだったら、止むを得ないか…。
俺は、刃で武士を斬り裂いた。
飛び散る血飛沫。
舞い散る肉片。
漂う血の香り。
「だ、大丈夫か?」
「ちょっと⁉あんたこそ大丈夫なの⁉」
「ああ、まあな…俺は御剣城響。お前は?」
「無礼ね‼私を誰と心得る‼私は信長‼織田信長よ‼」
「は…?信長って…男じゃ…?」
「なにバカな事言ってんのよ⁉私は見ての通り女よ…それより…」
でも、この世界は夢じゃないのか?
痛みは感じるし、感情はしっかりしてるし…。
「ちょっと⁉聞いてるの⁉」
「ああ、すまん。どうぞ」
するとその信長?は息を吸い、
「あんた、通りすがりの剣士とかいったわね…よし!」
「ーーーあんた、あたしの家来になりなさいっ‼ーーー」
これが、俺とこの世界の始まり。
俺と、信長の出会いだ。
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