フリーターユニオンふくおかはこれまで、NPOの職員やアルバイト、正社員など雇用形態に関わらず、不当解雇撤回、労働基準法違反の改善など、着手した全ての案件を確実に解決してきました。

労働基準監督署や大手の労働組合などではしばしば「ことなかれ主義」で済ませたり(典型的には「声を上げたらあなたが職場にいづらくなる」と否定的なことしか言わないなど)、あるいは弁護士頼みで結局は労働者に過分な負担を強いたり…何かと労働者の悩みや要求にきちんと向き合わないこともありますが、私たちは自らも不安定で弱い立場にある同じ労働者として、相談者と同じ目線で、あくまでも相談者にとって最善の解決を真剣に摸索します。

「少しでもよりよい、まともな職場で安心して働きたい」「おかなことにはおかしいと声を上げたい」「泣き寝入りしたくない」…そんな思いが何よりも重要です。しかし、そこまでいかなくても「他に頼るところがない」などという方は1人で悩まずに、まずは私たちに相談してみてください。

特定の解決方法は押し付けません。場合によっては行政などの第三者機関による解決がベストな場合もあります。それもふまえながら、労働組合としてできることを相談者と一緒に考えてゆきます。


労働相談Q&A

<組合編>

Q:労働組合って何ですか?

A:お互いに助け合って、働く人の権利と生活を守る団体です。アルバイトやパートなど、どの様な呼び方をされても、雇われて働く以上は「労働者」です。そして、すべての労働者には憲法で保障された団結権があり、労働条件の改善などを要求して経営者・会社と直接交渉する権利があります。そのような、労働者の権利を実現するのが、労働組合です。

私たちフリーターユニオン福岡には上部組織などはありません。福岡を拠点とする独立した「合同労働組合」で、職場で1人でも組合に加入して会社に要求などをすることができます。フリーターユニオン福岡は、活動主旨を共有する不安定な労働者や失業者が力を合わせて労働/生存のための組合を運営しています。


Q:労働組合に入ることのメリットは?

A:個人として話し合いを要求しても雇う側はほとんど相手にしてくれることはありません。しかし、労働組合が話し合いを要求したら、雇う側は必ず交渉に応じなければなりません。これは法律で決まっていることです。
労働組合に加入した場合、組合員の待遇については全て、労働組合に話を通さなければならなくなります。そうすると、簡単に賃下げや解雇といった労働者に不利益になることは出来なくなります。

それだけではなく、労働組合と雇い主との間で結んだ協約(これを労働協約といいます)によって、基本的にはどんな労働条件でも獲得することが出来ます。たとえ、どんなに条件が悪い職場であっても、労働協約を結ぶことによって、職場を変えることが出来ます。



Q:労働基準監督署やその他の公的機関がやっている相談と労働組合との違いは?

A:組合は相談者と一緒に動いて問題を解決することを前提として相談を受けるところです。労働組合は当事者である労働者の利益を代表して、また当事者とともに雇い主と交渉などをしますが、公的機関はそのようなことはしてくれません。

また、公的機関の労働相談では、必ずしも労働者の立場にたったアドバイスをくれるわけでもありません。また、アドバイスだけに終わることが多く、一人で相談に行ってもなかなか動いてくれないということもあります。役所のような第三者機関を使うにしても、労働組合を通じた問題解決を補足するものとして使って、はじめて有効となる場合もあるでしょう。



Q:役所以外にどのようなところが相談に乗ってくれますか

A:弁護士や社会保険労務士などに相談するという方法もあります。法律の専門家が味方になるので、トラブルの解決には有効な面もあるでしょう。

しかし、ボランティアでやってくれるのでない限り、相談するだけでお金がかかります。また、当然ですが、具体的に着手する際にはやはりお金がかかります。



Q:相談するとお金はかかりますか?

A:私たちは相談料はとりません。ただし、例えば要求書を出す、団体交渉を会社と行うといったように、組合が事案に着手する場合には、組合に加入してもらいます。フリーターユニオンふくおかは、組合費は月1000円です。(2008年1月現在)



<働くこと編>

Q:フリーターはどのような法律で守られていますか?

A:何よりも労働基準法によって守られています。フリーターであっても、労働基準法は当然、適応されます。労働基準法は、雇われて働く人を全て「労働者」として保護しています。



Q:自分がどういう条件で働いているのか良くわからないのですが

A:パートやアルバイトを雇った場合は、「雇入通知書」を交付し、契約期間、就業場所、業務内容、始業終業時刻、休日・休暇、賃金、退職等について明示しなければなりません。

就業規則などを作っていなかったり、労働者に見せていなかったりした場合は、全て違法です。



Q:アルバイトにも有給休暇はありますか?

A:労働基準法上の労働者である以上、当然、有給休暇を取ることは可能です。具体的な要件としては6ヶ月以上働いていて、決められた労働日の8割以上出勤していることです。



Q:仕事中、職場のものを壊してしてしまって、弁償しろといわれているのですが

A:わざと壊した、あるいは重大な不注意で壊したという場合は別ですが、普通に働いている場合に起こる損害については、弁償する義務は必ずしもありません。

もし仮に、弁償せねばならないような場合であっても、全額支払わねばならないということはありません。また、給料から天引きするということは許されません。原則として給料は、本人に全額支払わなければならないからです。



Q:残業代が出ないのですが、どうしたらいいでしょうか?

A:残業代を出さないというのは、当然ですが違法です。残業代を計算して、請求すれば、会社は支払わねばなりません。基本的に、残業代は、8時間を超える普通の残業は25%増し、午後10時から朝5時までの深夜残業は50%増し、休日労働の場合は35%増しで計算します。ちなみに、残業代は2年までさかのぼって、請求することが出来るし、以前に働いていたところに対しても請求することが出来ます。



Q:賃金を下げるといわれたのですが

A:雇い主の都合で、一方的に労働条件を不利に変えることは出来ません。ただし、労働者の「同意」があれば、双方が納得したという事で賃金が下げられてしまうことになります。そして、一番注意しなければならないことが、このような「同意」をでっち上げられてしまうことです。このようなことを言われた場合の対応については、対応編を参照してください。



Q:明日から来なくていいといわれたのですが

A:雇い主は、労働者に明らかに問題がある(例えば職場にあるものを盗む、無断欠勤が多いなど)場合でない限り、簡単に解雇することは出来ません。解雇は、普通はありえない、異常な事態なのです。

また、解雇は1ヶ月前に伝えなければなりません。そうでない場合は、雇い主は30日分の解雇予告手当を支払わなければなりません。

また期間が決まって雇用されている場合でも、所定の期間を超えて使用されるに至った場合、あるいは日雇いであっても1ヶ月を超えて引き続き使用されるに至った場合には、解雇予告手当ては請求できます。



Q:アルバイトの契約の更新を拒否されたのですが

A:例えば、一年ごとに契約を更新するといったように期間の定めのある場合、契約期間が終わったら、そこで雇用関係が終わりになります。

しかし、それ以前に契約の更新がどのように行われていたかによっては、解雇と同一視される場合もあります。例えば、何度も契約が更新されている場合や、契約が継続することを期待させるようなことを雇い主側が発言している場合などです。



他にも、職場の慣行や規則などで少しでもおかしいと思うことがあれば相談してください。多くの人が労働者としての当然の権利を知らないままに、不当な労働条件を強いられています。


<対応の仕方編>

賃金が支払われない、残業代が支払われない、解雇を言い渡された・・・などなど、こういったことは全て違法です。このようなことが行われたとき9割8分は労働者が正しく、雇い主側が間違っています。

しかし、対応の仕方がわからない、あるいは一人で雇い主に立ち向かうのは難しいことから、違法行為が横行してしまいます。このような違法行為に対抗するための一番の手段は、何よりも労働組合に加入することです。



Q:労働組合に入っていたら、解雇や賃下げにどう対応できるでしょうか?

A:労働組合に入ることで、雇われた個人と雇った会社という対等とはいえない関係が、法的にさまざまな権利を保障された労働者・労働組合と会社との関係に変り、待遇に関する会社側の希望などの一切は、労働組合を通じて出さなければならなくなります。労働組合はあなたにとって強力な盾になります。

だから、例えば賃金を下げるといったことについては、雇い主は組合の頭越しに、個人に対してそのような話をすることは出来なくなります。雇い主は個人を相手にするのではなく組合を相手にしなければならなくなるからです。だから、個人で対応するよりも、負担はずっと軽くなります。

また、労働組合ならば団体交渉をすることが出来ます。それによって、直接、雇い主と交渉して問題を解決することが出来ます。当然ですが、裁判をするよりも、直接交渉をするほうが、時間も手間もかかりません。そして、労働組合から団体交渉を申し入れられた場合には雇い主側はそれを拒否することは出来ません。



Q:賃金を下げる、解雇するといったことを言われた場合、どう対応すればいいですか?

A:不利なことに同意しないこと、それから記録をとって証拠を残すことです。自分から辞めたり、賃下げに同意してはいけません。労働者が「同意」しているといってしまえば、解雇や賃下げも可能になってしまいます。そして、厄介なことに、このような同意をでっち上げられてしまうということが、しばしば起こります。

だから、同意しないとはっきり言うか、はっきり言えなければ黙って肯定も否定もせずに、態度で示すことも重要です。無理やり職場に行ってもいいですし、辞める意思がないことを文書で伝えることも重要です。

もし、大声を出す、暴言を浴びせられた、あるいは何時間も執拗に迫られたといったことがあった場合、必ず日付、時間を分単位で記録に残しましょう。このような記録は、法廷でも十分な証拠になるのです。



Q:未払い賃金や残業代の請求はどうやったらいいでしょうか?

A:まず、考えられるのが内容証明郵便で請求することです。内容証明郵便を使うことで、会社に対して支払いの請求を行ったという証拠が残ります。したがって、会社は「受け取っていない」ということは出来ません。
また、賃金の請求方法としては、支払い督促があります。これは簡易裁判所から、支払い督促状を送るというものです。支払い督促は、相手が異議を申し立てなかった場合には、強制執行をかけることが可能になります。

その意味では強力なのですが、相手方が異議を申し立ててしまったら、通常の訴訟に移行してしまいます。したがって、裁判になってしまう可能性もありますので要注意です。


このように未払い賃金などを取り戻すにも、やはり組合を通じて要求することが一番強力で有効な方法となりえます。憲法に保証された団結権を行使して、団結して会社・経営者と向き合うことで、「労働者をなめるな」という力強いメッセージを会社や経営者に届け、人をバカにしたような働かせ方や尊厳のない労働者の扱いを止めさせることこそ最大の成果ではないでしょうか。



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