韓国では最近、花と紙幣でラッピングした「紙幣花束」が人気だ。一見すると、普通の花束と変わらないようだが、花と花の間に紙幣が10-20枚挟み込まれている。
京畿道高陽市にあるティファニーフラワーのコン・スンミン社長(31)は「紙幣花束を作り始めた昨年はほとんど注文がなかったが、今春からは毎日1件以上、注文が入っている。『紙幣花束』を取り扱う店も増えているようだ」と話した。
「紙幣花束」がいつから出回るようになったのかは定かではない。業界では数年前、紙幣を折って花の形にアレンジして販売していた初期の形態から始まり、現在の形に至ったとみられている。
「紙幣花束」に使用される紙幣は、客が自ら持ち込むケースが多いという。少しでもきれいな紙幣で飾るため、銀行で(きれいな紙幣に)交換して持ち込む人や、口座振替で店に代金を振り込む人もいる。以前は1000ウォン(約68円)札も使われていたが、今はほとんど1万ウォン(約680円)札や5万ウォン(約3430円)札が使われるという。
20輪の花束に紙幣20枚を入れるケースが最も多く、5万ウォン札で20枚、つまり100万ウォン(約6万8600円)を入れた花束を作ることもある。花束ではなく、カゴに入れたアレンジメントを依頼されるケースもある。
「紙幣花束」の用途も多様だ。最も多いのはプロポーズ用だが、親や恋人へのプレゼント、御祝儀代わりにもよく使われるという。メイフラワーのチョン・ミヒ代表(33)は「『どうして花なんか買ったの』と言っていた親たちも『紙幣花束』は喜んでくれる、という客が多い」と話す。「紙幣花束」を購入する顧客は20代後半から40代前半が最も多いという。
実際に紙幣を使うのは現行法上、問題ないのだろうか。韓国銀行の関係者は「偽造・変造でない限り、個人が所有する紙幣をどのように使おうと処罰する根拠はない」と話している。成均館大学社会学科のキム・ソクホ教授は「以前のお金に対するよくないイメージが、韓国社会から次第になくなっているという証拠だ」と話した。