共に生きる・トブロサルダ:大阪コリアンの目/100 /大阪
毎日新聞 2012年09月07日 地方版
◆日韓対立も市民は交流
◇韓国世論は冷静に判断 李大統領の対日言動
この連載も100回目を迎えた。連載開始当初、ここまで続くとは思っていなかったので、読者の皆さんに心からのお礼を言いたい。
記念すべき100回目のテーマを何にすべきか数週間考えてきたが、その間に日韓関係が、かつてないほどの最悪状況に陥ってしまった。
8月10日の李明博(イミョンバク)大統領による「独島」訪問で、日本国内の対韓国世論が急激に悪化している。連載100回を前に、このような状況を迎えたことは残念でならない。
率直に言って在日コリアンの多くが李明博大統領の行動に憤っている。領土問題への見解はともかく、日本国内のナショナリズムを煽(あお)る言動が大統領によって行われたことへの反発だ。
領土問題をめぐっては歴代政権が日本に厳しい姿勢で臨んだ。しかし、大統領の訪問は検討されてこなかった。その理由は日本への配慮によるものだ。
この間私は、2回韓国を訪問しその世論を肌で感じ、また、来日する多くの韓国人との懇談、一部国会議員とも、この件で話した。