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米調査委“日本の安全対策に問題”
9月7日 8時56分

米調査委“日本の安全対策に問題”
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東京電力福島第一原子力発電所の事故を検証するアメリカの専門家による調査委員会に、東京電力の担当者が出席して事故の経緯を報告し、専門家からは、緊急時の対応に精通した技術者が常駐していないことや最悪の事態への備えがなかったことに疑問の声が上がりました。

アメリカ科学アカデミーは、全米の専門家を集めて福島第一原発の事故を検証し、安全対策に生かそうと、ことし7月に調査委員会を立ち上げて議論しています。
6日、東京電力の担当者らがこの委員会に出席し、津波の規模が想定を上回ったことや電源が失われても原子炉を冷却できる非常用復水器が停止していることを把握できなかったことなどを説明しました。
非常用復水器を巡っては、有効に使えなかったことが事故拡大の要因とも指摘されており、専門家からは「アメリカのように、緊急時に復水器について助言できる技術者はいなかったのか」と非常時に備えた態勢に疑問の声が上がりました。
また、原発事業者の団体は、「原発の安全対策では、想定を超える事態に備えるのが重要だという考えがなかったことが明らかになった」として、日本の安全対策の基本的な考え方に問題があったと指摘しました。
アメリカでは、同時多発テロをきっかけに、原発ですべての電源が失われるなど、それまでの想定を超える事態に備えたマニュアルやさらなる予備電源の整備などを義務づけていましたが、日本はこうした対応を取らなかったことが事故を防げなかった原因だとも指摘されています。

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