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心臓分泌ホルモン 難病に効果9月7日 5時55分
ヒトの心臓から分泌されるホルモンの1つが、急性心筋梗塞の悪化を遅らせる効果があるという研究結果を名古屋大学のグループがまとめ、新たな治療薬の開発や予防につながると注目されています。
研究を行ったのは、名古屋大学大学院の大内乗有教授らのグループです。
グループでは、ヒトの心臓から分泌される「FSTL1」というホルモンを人工的に作り出し、心筋梗塞を引き起こしたマウスとブタを使って、それぞれ投与した場合としない場合で24時間後に比較しました。
その結果、このホルモンを投与したマウスでは、心筋梗塞の広がりが、投与しないマウスのおよそ40%にとどまり、ブタではおよそ55%にとどまっていました。
急性心筋梗塞は心臓に栄養を送る冠動脈が詰まる病気で、糖尿病などの生活習慣病で増えているとされ、冠動脈を広げるカテーテル治療の際には、血流が再開したとき心臓に負担がかかり、心臓を傷めるおそれがあるといわれています。
このためグループでは、このホルモンを使うことでカテーテル治療の際に心臓を保護したり、心筋梗塞に伴う炎症の広がりを抑えたりするなど、新たな治療薬の開発や予防につながるのではないかとしています。
大内教授は、「心臓疾患は、日本人の死亡原因の第2位を占めている。ホルモンの働きを詳しく解明し、心筋梗塞の新たな治療の開発につなげたい」と話しています。
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