9月20日に東京都内で開催された交通工学研究発表会特別企画震災セッションにて、国土交通省東北地方整備局で東北エリアの道路の復興を担当した方のお話を聞いてきました。
震災の対応は震災直後からスタートしました。工事の着工は3月12日、つまり震災の翌日から。そのロードマップは以下のようなものでした。
震災→啓開→応急・緊急復旧→本復旧→復興
通常ではなく、より被害が大きいため「啓開」と「復興」が前後に加えられています。
ところで「啓開」って何? と思いますよね。
これは、あまりにひどい被災で道が瓦礫などでふさがってしまったとき、その瓦礫を取り除き最低限度のルートを確保すること。それを「啓開」と呼ぶのです。なかなか聞くことはありませんよね。でも、今回の東日本大震災では瓦礫で完全にふさいでしまった道があちこちに発生したのです。
道の両脇に瓦礫が壁のように積み上げられている写真を見たことありましたけど、あれは啓開の終わった後だったのです。
また、具体的な作業は「くしの歯」作戦で進められました。これは第1ステップとして、東北道&国道4号の縦のラインを確保。第2ステップは、縦のラインから海側にある街までの横のライン(16ルート)を確保。そして最後の第3ステップで海側に縦のラインを作り、ハシゴのような縦横のルートを確保するというものです。
しかも、すごいのは3月12日のうちに第2ステップとなる横の16ライン中11ラインを啓開。15日には15ルートを啓開。18日には第3ステップにあたる国道6号と45号の97%を啓開してしまったというのです。
あの混乱と余震、次なる津波の恐怖の中での被災地の作業。頭が下がるとしか言いようがありませんね。
ちなみに写真は仙台の被災地のもの。僕が見たもので、上はとっくに啓開の終わったところ。下の写真は、啓開もなにもしていない場所(道路じゃないところです)。
<鈴木ケンイチ>
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