2012.9.8 05:03

人気チンパンジー・パンくん、女性にかみつき(2/2ページ)

女子研修生にけがをさせたチンパンジー「パンくん」。テレビに“天才チンパンジー”として出演するなど人気者だった

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 人気絶大の「天才チンパンジー」が豹変(ひょうへん)、周囲を驚かせる事件を起こした。

 同園によると、パンくんは6日、園内の「みやざわ劇場」で、トレーナーの宮沢厚さん(53)とともに「オールスターショー」に出演。午後4時ごろ、この日3回目のショーを終え、ステージ中央で宮沢さんの左側に立って約40人の観客に向かっておじぎをした。

 通常なら宮沢さんの後ろについて右側(下手)の方に去っていくが、このときは突然、逆の左側(上手)に猛ダッシュ。約10メートル先の舞台袖でショーを見学していた女性研修生に飛び掛かり、顔や腰、足首にかみついた。

 すぐに宮沢さんに引き離されたが、けがを負った研修生は熊本市内の病院にドクターヘリで搬送され、縫合手術を受けた。そのまま入院し、経過が順調なら約1週間後に抜糸、約2週間後に退院の予定だという。

 研修生は福岡市の動物専門学校の生徒で、3日から2週間の研修を予定していた。

 なぜ、パンくんは研修生を襲ったのか。同園は「原因は不明」としながらも「チンパンジーの10歳は人間でいうと18~22歳にあたり、最も元気で盛りがついている年頃」と指摘。「もともとチンパンジーは集団生活する動物なので、大人に近づくと自分の力を見せつけ、雌への優位性を示そうと攻撃的になることがある」と話した。

 パンくんは2004年から日本テレビ系の「天才!志村どうぶつ園」に出演。同園のショーも同年から開始した。

 パンくんは恋人のポコちゃん(10歳、雌)との本格的な繁殖準備に入るため、7月から来年4月までの予定で「引退公演」に出演していた。ショーは当面休止する。

(紙面から)