けがさせたパンくんの引退公演打ち切り　「志村どうぶつ園」のチンパンジー　

女性研修生にけがをさせたチンパンジー「パンくん」（提供写真） Photo By 共同

　熊本県阿蘇市の観光施設「阿蘇カドリー・ドミニオン」は８日までに、研修生にかみつきけがをさせたチンパンジー「パンくん」（１０歳、雄）が出演していた引退公演の打ち切りを決めた。

　今後も出演させない方針で“天才チンパンジー”として人気を集めた姿は、展示施設の中でしか見られなくなる。日本テレビ系の「天才！志村どうぶつ園」への出演を続けるかは、同社と協議するとしているが、日本テレビは「事故の詳細が判明するまで出演を控える」とし、すでに決まっている収録も見合わせる。

　施設によると、パンくんは６日午後４時ごろ、ショーを終えて客席におじぎした直後、一瞬の隙に研修生に飛びかかった。専任トレーナーがすぐ引き離そうとしたがうまく離れず、研修生をかんだり、ひっかいたりした。約１分後、別の男性トレーナーと２人がかりで引き離した。研修生は額、耳の後ろ、腰、足首を負傷。現場には血が激しく飛び散り、当時４０人いた観客が恐怖のあまり叫び声を上げるなど、一時騒然とした。

　研修生は熊本市内の病院に搬送され、縫合手術を受けた。施設によると抜糸まで１週間、２週間の入院が必要という。研修生は福岡市の専門学校の生徒。２週間の研修日程の３日目だった。

　パンくんのショーは０４年から行われてきたが、本格的な繁殖準備に入るため、来年４月までの予定で引退公演に出ていた。