母親のしっぽで遊ぶ赤ちゃんライオン=東山動物園提供
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名古屋市千種区の東山動物園で六月に生まれた双子の赤ちゃんライオンが、ネコジャラシで遊ぶかのように母親「ルナ」のしっぽとたわむれている。愛らしいしぐさが来園者の人気を集めている。
動く物に興味を引かれるのは、ネコ科の特徴。午後三〜四時ごろ、飼育員が閉園の準備を始めて周りが騒がしくなると、双子たちは刺激をされ活発に動く。長い毛に覆われたルナのしっぽの先に飛びつき、前足で押さえてかみつく。
赤ちゃんの乳歯といえども、先はとがっている。二、三分もするとルナは痛いのか「そろそろやめて」と言わんばかりにしっぽを動かす。時には赤ちゃんをはたき、ごろんと転ばせてしまう。
双子はともにしっぽを気に入っているが、順番を守り、一匹ずつ遊ぶことが多い。たまに、遊んでいる方にもう片方が待ち切れないとばかりに飛びつき取っ組み合いになることも。
東山動物園にとって、三十五年ぶりに生まれた赤ちゃんライオン。生後から二カ月間は、ルナがストレスを感じないよう、来園者の目に触れない部屋に親子で入れていた。
一般公開が始まったばかりの八月上旬は、来園者を避けるように園舎の隅に座っていた双子たち。環境に慣れてから、周囲の物に関心を寄せるようになった。
大人のライオンが、ほかのライオンのしっぽで遊ぶことはあまりないという。飼育員の小林隆志さん(39)は「赤ちゃんたちも、いつかはお母さんのしっぽを気にしなくなるだろう。その時はもう大人になり始めているのかもしれない」と話す。
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