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事件
【衝撃事件の核心】「家庭人」「まじめな人柄」談合容疑で逮捕のベテラン防衛技官に何が…
県警の調べでは、4社は平成22年3月下旬から23年9月下旬、計4回の一般競争入札で、1キロあたり1千円前後で順番に落札した疑いがあり、約12万~54万円分を納入していたとみられる。過去の落札価格も、ほぼ同額で推移していたことが分かっている。
「土橋容疑者の指示通りに落札していた」。営業担当者は県警の調べに、こう供述。各社も同様の認識を示している。ただ、土橋容疑者との“関係”は、異動の際も重要な引き継ぎ事項だったといい、応札も現場の一存では決められないことから、県警は各社に引き続き事情を聴いている。
■管理体制に問題?
一方で、事件の背景に、土橋容疑者の職務の専門性があったとの見方もある。
栄養士として勤務していた土橋容疑者は、昭和54年に採用後、異動はなく、一貫して現部署に勤務した。同病院は「専門性のある職員は、結果的に同じ分野を長期間担当することになる」と説明する。
土橋容疑者は、採用後間もなく入札事務を任され、逮捕時は最古参の職員として、同病院が調達する生鮮食料品や缶詰、ベビーフードなど、約400品目の入札事務を一手に取り仕切っていた。
さらに、捜査関係者は「病院側の管理体制が事件の一因になった可能性がある」とも指摘する。
通常、入札では事務担当者が適切な予定価格を算定するなどして書類を作成。上司が決裁し、問題点がないか確認する。しかし、同病院では、落札業者が決定してから、土橋容疑者が入札に関する書類を作成。上司は事後承諾していた可能性があるという。
結果的に、談合の疑いは長期間、露見することはなく、捜査の端緒となったのは内部通報だった。
「土橋容疑者は、入札すべてを調整できる立場。この状況でチェックが機能しなければ、あまりにもずさんだ」。捜査関係者はこう語る。県警は土橋容疑者の動機や事件前後の経緯について、さらに調べている。
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