飯塚事件 元死刑囚のDNA再鑑定へ9月7日 18時55分
20年前、福岡県飯塚市で小学生2人が殺害されたいわゆる「飯塚事件」で、福岡地方裁判所は、7日までに元死刑囚のDNAを弁護団が再鑑定することを認めたことが分かりました。
平成4年に福岡県飯塚市で小学1年生の女の子2人が行方不明になり、その後遺体で見つかった「飯塚事件」では、久間三千年元死刑囚が殺人などの罪に問われ、平成18年に死刑判決が確定しました。
そして2年後に死刑が執行されましたが、元死刑囚の家族が「有罪の根拠となった当時のDNA鑑定は誤りだ」と主張して、再審=裁判のやり直しを求めていました。
これについて福岡地方裁判所は、捜査段階でDNAの型を撮影した写真のネガを科学警察研究所から取り寄せ、取り扱いを検討してきましたが、7日までに弁護団がネガを基にDNAの再鑑定をすることを認めたということです。
7日は裁判所でネガの情報を精密に読み取るために、ネガを赤外線で撮影する作業が行われました。
弁護団は、今後、読み取った情報を基に専門家に依頼して、犯人のDNAの型が元死刑囚と一致するかどうか、確かめることにしています。
この事件のDNA鑑定は、再審で無罪が確定した「足利事件」と同じ方法で行われていて、弁護団は、当時の鑑定は不十分だったと主張しています。
今後は、20年前の写真のネガに基づいて、どこまで正確な鑑定ができるかが焦点になります。
“大きな意味がある”
飯塚事件の主任弁護人を務める岩田務弁護士は、「裁判官や検察官も納得いく形でネガの情報を読み取る作業ができたことには大きな意味がある。再鑑定の結果はどうなる分からないが、今まで手に入らなかったデータなので、これを手がかりに、しっかりと検証したい」と話しています。
[関連リンク] |
|