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連日の報道合戦が続く自民党総裁選とは対照的に、民主党の代表選は野田佳彦首相に対抗する有力候補が見当たらず、党内には沈滞ムードが漂っている。ポスト野田の有力候補とされる前原誠司政調会長は早々と再選支持を明言。わざわざ代表選告示日の10日から訪米する日程を入れ、戦う意思がないことを明確にした。前原氏不出馬の裏話を前原グループ関係者が漏らす。
「グループ内に出馬を促す声があり、本人も一時は真剣に悩んでいました。自分が首相になれば勝てないまでも、野田氏に比べれば負ける度合いが少なくなるのではという考えでした。しかし後見人格の仙谷由人政調会長代行が『大義がない。俺たちが散々批判した自民党政権末期と同じことをするつもりか』と一喝して止めたんです」
そこで急浮上したのが細野豪志環境相だ。41歳という年齢は、自民党で名前のあがる総裁有力候補はもちろん、橋下徹大阪市長よりも若い。輿石東幹事長が出席した8月末の会合でも、高嶋良充元参院議員が輿石氏の意向を代弁する形で「野田再選なら民主党は自民、維新に次ぐ第3党に転落する。立て直せるのはあんたしかおらん」と細野氏を口説いた。「史上最年少首相」が誕生すれば、民主党にもう一度政権を任せてみようというムードが広がるという目論見なのだが……。
「本当に細野さんに総理になってほしいと考えている議員は、今回は見送りを進言している。次期衆院選で、民主党が敗北し、引責辞任となれば政治生命が終わってしまうからです」(細野氏に近い議員)
結局、残るのはこれまで干されてきた反・非主流の赤松広隆、原口一博、小沢鋭仁、田中真紀子、馬淵澄夫、山田正彦、桜井充各氏といった面々。
「名前を売りたいのがミエミエの上、自力では推薦人を集められない連中ばかり。原口氏は『求められるなら自分は逃げない』と意欲を見せましたが、党内から『求めてねーよ』と冷ややかな視線を浴びています」(同前)
野田首相周辺は「こんな連中と代表選をやっても、人材不足を印象付け、さらに支持が下がる」と無投票に向けて、衆院解散回避のサインを送る。
「その秘策が、秋の臨時国会を開かないこと。野党が不信任案を出したくても出せない」
だが、特例公債法案が成立しなければ、10月末には政府の財源は枯渇する。民主党の姑息な延命策で国民生活が置き去りにされることになる。
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2012年06月18日 ガイドラインを変更しました。