第180通常国会が事実上閉会9月7日 15時37分
第180通常国会は、8日の会期末を前に7日で事実上閉会し、政府・与党が今の国会での成立を目指してきた、赤字国債発行法案や衆議院の選挙制度を改革するための法案は、参議院で継続審議の手続きが取られず、廃案となりました。
通常国会は、8日の会期末を前に、7日の衆参両院の本会議で、法案の継続手続きや衆参議長のあいさつなどを行い、事実上、閉会しました。
この国会では、野田総理大臣が「政治生命をかける」とした、消費税率引き上げ法など、社会保障と税の一体改革関連法をはじめ、前の国会からの継続を含め、政府が提出した106件の法案のうち61件が成立し、成立率は57.5%でした。
一方、政府・与党が、この国会での成立を目指してきた、今年度予算の執行に必要な赤字国債発行法案や、衆議院の選挙制度を改革するための法案は、野党側の反対で参議院で継続審議の手続きが取られず、廃案となりました。
政府・与党は、赤字国債発行法案などを次の国会に提出し直す方針ですが、成立に向けて野党側の協力が得られる見通しは立っていません。
また、参議院選挙の1票の格差を是正するため、選挙区の定員を「4増4減」する公職選挙法の改正案や、国民一人一人に番号を割りふる「共通番号制度」の導入に必要ないわゆる「マイナンバー法案」、それに、国家公務員の給与などの労働条件を労使交渉で決めるなどとした「国家公務員制度改革関連法案」などは、衆議院で継続審議となりました。
“残念ながら仲間失った”
民主党の輿石幹事長は党の参議院議員総会で、「戦後最長の国会だった。野田総理大臣は、避けては通れない歴史的課題に果敢に挑戦したが、残念ながら仲間を失った。次の国会では、政権与党として、さらに責任と覚悟を持たなければならない。民主党の再スタートに向けて、今月21日の党大会を成功させ、必ず、日本の政治を私たちの手で続けていくために、国民の信頼を勝ち得ていきたい」と述べました。
“衆院選で政権奪還を”
自民党の谷垣総裁は党の両院議員総会で、「社会保障と税の一体改革を巡る3党合意では、決まらない政治を乗り越える野党第1党の責任を示すことができた。『近いうちに』という衆議院の解散は『目睫の間(もくしょうのかん)』に迫っている。これから総裁選挙に入るが、正々堂々たる総裁選挙にして、きたるべき衆議院選挙で政権を奪還するためのものにしなければならない」と述べました。
“衆院選で躍進を”
共産党の志位委員長は党の議員団総会であいさつし、「民主・自民・公明の3党が談合し、消費税の増税が強行されたが、戦いはこれからだ。増税の実施時期が近づけば近づくほど、国民の怒りと不安は高まっていく。増税に『ノー』を突きつけるとともに、原発からの速やかな撤退と再生可能エネルギーへの転換を訴えて、衆議院選挙での躍進を目指す」と述べました。
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