アンケート黒塗り「違法」 大津中2自殺 情報公開遺族、市提訴へ
大津市で昨年10月、中学2年の男子生徒=当時(13)=が飛び降り自殺し、いじめとの関連が指摘されている問題で、遺族が情報公開請求した学校実施の生徒へのアンケート結果について、市教委が黒塗りにしたのは違法で精神的苦痛を受けたとして、遺族が市を相手取り百万円の損害賠償を求める訴訟を大津地裁に近く起こすことが6日、関係者への取材で分かった。
関係者によると、男子生徒の父親(47)は学校のアンケート結果をもとに同級生らからいじめについて証言を集めようとした。しかし、学校から提供を受けた際「部外秘とする」などの確約書を求められたため、昨年11月にあらためて市教委へアンケート結果や生徒への聞き取り調査などを情報公開請求した。だが、12月に市教委が出したアンケート結果は個人情報などを理由に全て黒塗りだった。
ところが、市教委は今年7月に市議会教育厚生常任委員会で傍聴者らにアンケート結果の概要を配付。遺族側は「傍聴者への配布からも必ずしも情報公開手続きを踏む必要がないことは明らか」とし、「部外秘を確約させたのは違法」と主張。遺族側は「生徒らへの聞き取り調査をする上で、大きな手がかりを使えなかった」とし精神的苦痛を受けたとして損害賠償を求める。
遺族側代理人は「傍聴者に配布した資料を遺族に出さなかったのは理解できない」としている。
【 2012年09月07日 09時15分 】