性犯罪:稀代の凶悪犯、共通点は「ポルノ画像」

大甘処罰が「ポルノ狂」の凶悪犯罪を招く

 2010年6月、小学校の運動場で、登校してきた女児を連れ去り、自宅に連れ込み性的暴行を加えたキム・スチョル受刑者。今年4月、女性を拉致して殺害し、遺体をバラバラにした呉元春(オ・ウォンチュン)被告。今年7月、登校途中の小学生の女児を誘拐し殺害したキム・ジョムドク容疑者。そして先月、自宅で寝ていた小学1年の女児を掛け布団ごと連れ去り、性的暴行を加えたコ・ジョンソク容疑者。この数年間、韓国社会に大きな衝撃を与えた、これら稀代の凶悪犯が、犯行前にポルノ動画を見ていたという事実を前に、警察庁は今月3日「児童ポルノ対策班」を設置する、と表明した。本紙の取材班が、この日午後11時30分から1時間にわたり、インターネットのファイル共有サイト44種類にアクセスしたところ、計3155点のポルノ動画がアップされていた。あるサイトにアップされていた93点のポルノ動画の中には、性的暴行の場面を描写した動画5点や、児童ポルノ2点が含まれていた。だが韓国では、先進国で厳しく規制している児童ポルノや、強姦(ごうかん)の場面を描写したポルノ動画に対する規制が不十分だと指摘する声が出ている。

■「児童ポルノの流通、先進国のように申告の義務付けを」

 米国に本部を置く「児童失踪・児童虐待国際センター(ICMEC)」は2010年、世界196カ国の児童ポルノに対する規制の実態をチェックし、米国やオーストラリア、フランスなど8カ国を「児童ポルノに対し最も厳しい規制を行っている国」と評価した。これらの国の共通点は、ファイル共有サイトなど、インターネットサービスの提供業者が、当該サイトに児童ポルノがアップされた場合、警察に届け出るよう義務付けているということだ。また、英国やドイツなど12カ国では法的な規制はないものの、インターネット上に児童ポルノが流出した場合、すぐに捜査当局に届けている点が評価された。

 一方、韓国では、インターネット上に児童ポルノが流出しても、届け出る義務はない。ICMECが行った、世界各国の児童ポルノに対する規制実態の調査の結果、韓国はメキシコやスロバキアなど25カ国と同じランクになった。これについて、建国大身体文化研究所のキム・ジョンガプ所長は「少なくとも児童ポルノについては、先進国のように、インターネットサービスの提供業者が法的な責任を負わざるを得ないとしても、申告を義務付けるべきだ」と指摘した。

ソク・ナムジュン記者
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