2012年09月05日 (水)

牛肉輸入緩和"健康の影響無視できる"

K10047929211_1209051213_1209051229_01.jpg

BSE対策として行われているアメリカ産牛肉の輸入規制について、食品安全委員会の専門調査会は、生後20か月以下の牛に限っている現在の規制を、生後30か月以下に緩和しても安全性に問題はないとする評価結果をまとめました。アメリカ産牛肉の輸入は、規制の緩和に向けて動き出すことになりました。

 

食品安全委員会の専門調査会は、BSE対策として生後20か月以下の牛に限っているアメリカ産牛肉の輸入規制を、生後30か月以下に緩和した場合の安全性について、5日、評価結果をまとめました。
この中で、規制を緩和した場合でも、「リスクはあったとしても非常に小さく、人への健康影響は無視できる」として安全性に問題はないと結論付けています。
その理由として、調査会は、アメリカでは、この10年間に生まれた牛でBSEへの感染が確認されていないことや、生後30か月以下で病原体が蓄積する可能性は非常に小さいとする実験結果などを挙げています。
アメリカ産牛肉の輸入は、平成15年に、アメリカでBSEに感染した牛が確認されたため、全面的に禁止されましたが、その後、平成17年に、脳や脊髄などを取り除いた生後20か月以下の牛の肉に限って輸入が再開されています。
食品安全委員会は、一般から意見を募ったうえで、厚生労働省に評価結果を伝えることにしていて、アメリカ産牛肉の輸入は規制の緩和に向けて動き出すことになりました。
一方、5日の会合で調査会は、国が自治体に求めている肉牛の検査の基準を緩和することについても、「健康影響は無視できる」として問題ないとする評価結果をまとめました。
今回の評価結果に反発して消費者団体の日本消費者連盟は、食品安全委員会に抗議声明を提出しました。
声明では、「BSE発症のメカニズムが解明されていないのに、月齢が30か月以下の牛の発症は考えがたいとする評価は科学的でない」などとして、評価を白紙に戻して再検討するよう求めています。
山浦康明共同代表は、「科学的なデータが足りないなか、十分な議論が行われずに結論が出てしまったという印象が強い。今の状況では消費者としてアメリカ産の牛肉を安心して食べられると言い切ることはできず、規制緩和は時期尚早だ」と話しています。

投稿者:かぶん |  投稿時間:14:50  | カテゴリ:科学のニュース
コメント(0) | トラックバック (0)

twitterにURLを送る facebookにURLを送る ソーシャルブックマークについて
※NHKサイトを離れます。


トラックバック

■この記事へのトラックバック一覧

※トラックバックはありません

コメント(0)

※コメントはありません

コメントの投稿

ページの一番上へ▲