◇キリンチャレンジカップ 日本 1−0 UAE
(6日・東北電力ビッグスワンスタジアム)
サッカーの国際親善試合、キリン・チャレンジカップは6日、新潟・東北電力ビッグスワンスタジアムで行われ、日本はアラブ首長国連邦(UAE)を1−0で下した。2014年ワールドカップ(W杯)ブラジル大会アジア最終予選第4戦のイラク戦(11日)に向けた強化試合。日本はMF本田圭佑(26)=CSKAモスクワ=、FW香川真司(23)=マンチェスター・ユナイテッド=の両エースを軸に主導権を握ったが、なかなかゴールは奪えず。2人がピッチを離れた後半24分、FWハーフナー・マイク(25)=フィテッセ=が決勝ゴールを奪った。
ボールを受けると、ドリブルで持ち込んでいった。パスという選択肢はそこにはない。自分で打つ。決める。後半7分の本田の左足ミドルにはしっかりとした意思がこもっていた。地をはうような弾道はGKが体を張ってセーブしたが、果敢にゴールを狙った。
「湿気や気温の問題もある。ボールを持っても2、3回タッチしないと出したいところに人がいない。マイクだけが前で、みんな3、4メートル後ろ。オレがスタートで、そのままミドルを打つことが多かった」
後半19分に交代するまでに放ったシュートは両チーム最多の6本。実際、4本がミドルレンジからだった。気温は24・6度ながらも湿度は80%。海外組は長距離移動に時差の問題、国内組もリーグ戦の疲れを残していた。香川、清武はもとより、ボランチ、両サイドバックの援護もなければ、自ら攻めに出るしかなかった。
本田自身もスウェーデン遠征を含む15日間で5試合の強行軍だった。そして日本への移動。だが、誰よりも躍動した。常に厳しいときにどれだけやれるかを追求してきた。だからこそ「疲れがあっても、代表で世界トップを目指すならこれではいけない。所属チームでどれだけ厳しくして、自分を高められるか。その集合体だから」と言葉に力を込めた。
あくまで本番はイラク戦。本田は「あまりしゃべりたくない。駆け引きは始まっていると思うから」と前置きした上で、「カウンターと遅攻をどう使い分けるか。今日は相手が引いてたから、あえて3、4本打っていった」と口にした。強引にも見えたミドルの雨は、孤軍奮闘を強いられたからこそのUAE戦限定使用。イラク戦では多彩な攻撃のコンダクターとなってみせる。 (島田明)
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