石巻のうまいものに関係する記事
2010年05月24日
横浜屋さんの焼きそば
石巻には 『石巻焼きそば』 という食べ物がある。
今や石巻のB級グルメとして売り出されているメニューで
街のあちこちに石巻焼きそばを出すお店がある。
たこ焼き屋や中華料理屋、居酒屋にまで
さまざまなお店のメニューに入っているくらいなのである。
でも私はやっぱり「横浜屋」さんがおいしい、とおもう。
家からも近く、ずいぶん早い時期から
ここがいちばんと思ってしまったので
今は焼きそばを食べるなら迷わず向かう。
石巻なのに何で横浜屋なのかは謎である。
いつも、焼きそば、並盛を注文してしまう。
半熟目玉焼きのトッピングは、かならずつける。
ここの焼きそばは店主のかたが小さいころから食べていた
昔ながらの味を再現したということである。
麺がもともと茶色くて、麺つゆのようなもので
蒸し焼きにされている焼きそば。
油の少ないあっさりした味で、そばの香りがいい。
具は玉ねぎと天かす。紅ショウガがたっぷりでうれしい。
そのままの味を楽しんだあと、
目玉焼きの黄身を破って麺に絡ませて食べるのは
やはり至福である。(写真右)
そして最後らへんで、備え付けのソースをちらちらっとかける。
この時は混ぜないであえて「むら」を楽しむのが私の癖である。
初めて食べた時はソースの味がしなくて
汁無しうどんのような味のおそばに驚いたけれど
食べ終わる頃にはすっかり好きになっていた。
おばあちゃんちのようなあたたかい小さなお店で
うどんなどのメニューのほか、ケーキ、焼き芋などもある。
私はチーズケーキが好きだけれど
焼き芋だけ買いに来るお客もいる。
店にいる間、おばちゃんとおじちゃんが何度も熱いほうじ茶を
丁寧に急須で淹れてくれる。
ちなみに目玉のせの焼きそばで350円。
随分と安いので申し訳ない。
にこやかであったかくお客さんに接しているのが
素晴らしいとおもう。
そういうのもあってか地元のおばちゃん達の
癒し的お店になっている。
お店自体はずいぶん昔からあるのだけれど
焼きそばを出し始めたのは意外にも最近なのだそうだ。
長く続けてもらえたらうれしいので、度々食べに行って
しずかに応援している。
この茶色いそばが開発されたのは戦後間もなくのころ
だそうである。
当時の中華めんを焼きそばにしたら
べたついた食べ心地になってしまったため、
「二度蒸し」 という製法で作った
オリジナル麺が広まったとのこと。
二度にわたって蒸すことで麺の 「かんすい」 が
茶色く変化するのらしい。
その辺は聞いた話なのでなぜ茶色くなるのかというのは
じっさいピンとこないのだけれど
石巻で生まれた麺なのだなとおもうと、なんだか面白い。
2010年05月17日
どどんとレトロ平和堂
石巻のまちにはなぜこんなにも?というほど
たくさんの菓子店がある。
その理由ははっきりとはわからないが
昔は漁業でとっても景気が良かったので
石巻は仙台に次ぐちょっとしたきらびやかな街だったという。
それで、当時はなかなかの贅沢品であるお菓子が
飛ぶように、だったかはわからないが
よく売れたのではないか。
昔から続いているいわゆる老舗といわれる一軒に
「平和堂」さんがある。
まずびっくりするのは店に入った時のその品数。
和菓子に洋菓子とひと通りの生菓子があり
かりんとうやせんべいなどの袋菓子あり
立派な箱に入った長崎カステラ〈平和堂特製〉まである。
ここは東北です。
ここは貝の形をした『貝最中』というモナカが売りで
店のテントにも貝最中の文字が大きく描かれている。
あんこの味がしっかりしておいしいのものだが
いかんせんサイズが大きすぎるため私はあまり買わない。
あんこに目がないという人には
自信を持ってお薦めできます。
今回どこか気になっていた『ボストンパイ』を食べてみた。

石巻のケーキ屋さんで『ボストンパイ』って
よく見かけるのだけれど東京では聞いたことなかった。
知らなかっただけなのだろうか。
平和堂のボストンパイというのは
パイ生地ではなくスポンジと煮リンゴをドーム型に重ね
上にバタークリームをたっぷり塗ったもの。
特筆すべきはクリームのうまさ。
バタークリームって言うと『古臭い』『しつこい』
というイメージがあるかもしれないがとんでもない。
新鮮なミルクを使った感じのきりっとしたバターの風味と
甘いのだが塩分も含まれていてそれがまた
さっぱり感を加えていていいのだ。
リンゴのいい香りとそのシロップが上に下によく染みたスポンジ。
おいしいです。もちろん歴史を感じる味なのだけれど
クラシカルな良さにあふれている。
一番下の土台の薄いところの生地が
懐かしおやつの「たまごパン」みたいな
味がするのだが不思議にそれも調和している。うまい。
なぜだ?ボストンパイ、君は何者ぞ。

しかもこんな包装です。
和風モダン、レトロなかわいさ。


これは1回食べて大好きになったプリン。
卵黄をたっぷり使っている、昔ながらのしっかりしたプリン。
これが、いいんです。
もちろんとろりとした生クリーム混系のプリンも好きだけれど
「プリンって即ちこうだったんじゃないのか!」と
膝をぽんと打ちたくなる味です。
卵黄の素材のよさに尽きるというタイプ。
鳥が描かれた金色の店名シールもかわいらしく
ものを捨てられないおばあさんのように
何かに挟んでとっておきます。
パフリーヌというお菓子。
早い話がクリームを挟んだワッフルなのですが
とっても軽い味。
パフリーヌとはこれよく付けたネーミングである。

かっさり、むこもことしたみそぱんも。
みそぱんって、くせがなくて素朴でまるでご飯みたい。
一緒におかずでも食べたら食事になるような
かんじがするなぁ。
これらは平和堂のほんの一部のお菓子たち。
手広いようで一定の雰囲気があるような気がする。
これからゆっくりといろいろな種類を
試していきたいとおもう。
たくさんの菓子店がある。
その理由ははっきりとはわからないが
昔は漁業でとっても景気が良かったので
石巻は仙台に次ぐちょっとしたきらびやかな街だったという。
それで、当時はなかなかの贅沢品であるお菓子が
飛ぶように、だったかはわからないが
よく売れたのではないか。
昔から続いているいわゆる老舗といわれる一軒に
「平和堂」さんがある。
まずびっくりするのは店に入った時のその品数。
和菓子に洋菓子とひと通りの生菓子があり
かりんとうやせんべいなどの袋菓子あり
立派な箱に入った長崎カステラ〈平和堂特製〉まである。
ここは東北です。
ここは貝の形をした『貝最中』というモナカが売りで
店のテントにも貝最中の文字が大きく描かれている。
あんこの味がしっかりしておいしいのものだが
いかんせんサイズが大きすぎるため私はあまり買わない。
あんこに目がないという人には
自信を持ってお薦めできます。
今回どこか気になっていた『ボストンパイ』を食べてみた。
石巻のケーキ屋さんで『ボストンパイ』って
よく見かけるのだけれど東京では聞いたことなかった。
知らなかっただけなのだろうか。
平和堂のボストンパイというのは
パイ生地ではなくスポンジと煮リンゴをドーム型に重ね
上にバタークリームをたっぷり塗ったもの。
特筆すべきはクリームのうまさ。
バタークリームって言うと『古臭い』『しつこい』
というイメージがあるかもしれないがとんでもない。
新鮮なミルクを使った感じのきりっとしたバターの風味と
甘いのだが塩分も含まれていてそれがまた
さっぱり感を加えていていいのだ。
リンゴのいい香りとそのシロップが上に下によく染みたスポンジ。
おいしいです。もちろん歴史を感じる味なのだけれど
クラシカルな良さにあふれている。
一番下の土台の薄いところの生地が
懐かしおやつの「たまごパン」みたいな
味がするのだが不思議にそれも調和している。うまい。
なぜだ?ボストンパイ、君は何者ぞ。
しかもこんな包装です。
和風モダン、レトロなかわいさ。
これは1回食べて大好きになったプリン。
卵黄をたっぷり使っている、昔ながらのしっかりしたプリン。
これが、いいんです。
もちろんとろりとした生クリーム混系のプリンも好きだけれど
「プリンって即ちこうだったんじゃないのか!」と
膝をぽんと打ちたくなる味です。
卵黄の素材のよさに尽きるというタイプ。
鳥が描かれた金色の店名シールもかわいらしく
ものを捨てられないおばあさんのように
何かに挟んでとっておきます。
パフリーヌというお菓子。
早い話がクリームを挟んだワッフルなのですが
とっても軽い味。
パフリーヌとはこれよく付けたネーミングである。
かっさり、むこもことしたみそぱんも。
みそぱんって、くせがなくて素朴でまるでご飯みたい。
一緒におかずでも食べたら食事になるような
かんじがするなぁ。
これらは平和堂のほんの一部のお菓子たち。
手広いようで一定の雰囲気があるような気がする。
これからゆっくりといろいろな種類を
試していきたいとおもう。
2010年05月11日
自然薯がんづき
「ういろうタイプ」のがんづきを食べた。
原材料は小麦粉、砂糖、しょうゆ、自然薯、ごま。
以前食べた「モサガン」というがんづきは
石巻市にあるの道の駅、上品の郷(じょうぼんのさと)
の名物の一つであるがそれは「蒸しパンタイプ」だ。
(→モサガン記事はこちらへ)
せんじつ温泉に入りがてらそこへ行ってみたとき
残念ながらモサガンは売り切れだったのだが
この「自然薯がんづき」があった。
ラベルをみると同じ人が作っている。
道の駅などの農(海)産物直売所に置いてあるものは
作った人の名前まで書いてあるものも多い。
きれいに蒸されて、なんとつやつやしたがんづき。
食べてみるとこちらもおいしかった。
もっちりとした食感でとてもなめらかなお菓子だ。
自然薯が練りこまれているせいか
すこしねっとりしている感じがいい。
ちょっと甘しょっぱいような味も好みだった。
もともと名古屋の名産である「ういろう」が好きで
その系統のものはだいたい気に入るのだけれど。
こういう素朴なおやつでお茶を飲むのが最近はすきである。
宮城のほうでは、いや、東北全域なのだろうか
「おぢゃっこのみ」(お茶っこ飲み)という習慣があるらしい。
(習慣、というほどのものでもないのかもしれないけれど)
手作りのお菓子やお惣菜、漬物など
家にある甘いものしょっぱいものでお茶を飲むそうだ。
というわけなので、おぢゃっこのみ風にナスのぬか漬けと
合わせてみた。
「おぢゃっこのみ、すっぺし(すっぺす)」と言って
自慢のお菓子や漬物を持って友達の家に
遊びに行ったりする宮城のバリバリのおばちゃんを
勝手に想像してあこがれる夜。
うまかったー。ごちそうさまでした。
2010年05月09日
さんまチーズ
石巻でも桜が終わり初夏の兆しがみえてきている。
せんじつホームセンターに
自転車をこぎこぎ買物に行ったら
ことし初めて「暑い」とおもった。
私が引っ越して来たのがながぁい冬のはじまりで
暑いなんて思うときが来ることを想像出来ないでいたので
なんだか感動した。
ホームセンターの自転車置き場の横で
自動販売機のサイダーを買って飲んだ。
まあそうすると夜なんかは
麦酒、ビィルが飲みたくなるわけです。
そこでひとつ、石巻発のお薦めおつまみをば。


水産珍味製造元「浜谷商店」さんの「さんまチーズ」。
「近海もの」というキャッチがなんともよく
おいしそうな感じを醸し出していて
なにやらふつふつと期待させるものがある。
半干しのような、絶妙のソフトな食感のさんまに
チーズがたっぷり乗っている。
さんまの独特の香りというか味が好きな私は
とても気に入ってしまい、夫とバクバク食べたところ
残りが2つになってしまった。
真空パックのような個包装になっていて
袋に入って10個以上は入っていたとおもう。
パッケージデザインもなかなかいい味を出している。
個包装の茶色い線でへなへなと描かれた魚の模様。
外袋のラベルには漁船とさんまが
ほぼ同じ角度と長さに描かれているという
よく見ると他にはあまり見ない不思議な配置のイラスト。
しかも漁船には名前が付いていて
(※右写真をクリックするとよく見えます。)
その名も「第一チーズさんま丸」
これまたおとぼけさんな感じである。
作った人のちょっとした遊び心が感じられる。
他にかつおチーズ、イカチーズなども作られているけれど
パッケージ込みでお土産にも買い置きにも
さんまチーズがいちばんよろしかろう、と思う。
せんじつホームセンターに
自転車をこぎこぎ買物に行ったら
ことし初めて「暑い」とおもった。
私が引っ越して来たのがながぁい冬のはじまりで
暑いなんて思うときが来ることを想像出来ないでいたので
なんだか感動した。
ホームセンターの自転車置き場の横で
自動販売機のサイダーを買って飲んだ。
まあそうすると夜なんかは
麦酒、ビィルが飲みたくなるわけです。
そこでひとつ、石巻発のお薦めおつまみをば。
水産珍味製造元「浜谷商店」さんの「さんまチーズ」。
「近海もの」というキャッチがなんともよく
おいしそうな感じを醸し出していて
なにやらふつふつと期待させるものがある。
半干しのような、絶妙のソフトな食感のさんまに
チーズがたっぷり乗っている。
さんまの独特の香りというか味が好きな私は
とても気に入ってしまい、夫とバクバク食べたところ
残りが2つになってしまった。
真空パックのような個包装になっていて
袋に入って10個以上は入っていたとおもう。
パッケージデザインもなかなかいい味を出している。
個包装の茶色い線でへなへなと描かれた魚の模様。
外袋のラベルには漁船とさんまが
ほぼ同じ角度と長さに描かれているという
よく見ると他にはあまり見ない不思議な配置のイラスト。
しかも漁船には名前が付いていて
(※右写真をクリックするとよく見えます。)
その名も「第一チーズさんま丸」
これまたおとぼけさんな感じである。
作った人のちょっとした遊び心が感じられる。
他にかつおチーズ、イカチーズなども作られているけれど
パッケージ込みでお土産にも買い置きにも
さんまチーズがいちばんよろしかろう、と思う。
2010年05月06日
缶詰の本領
以前も缶詰の 「木の屋」 さんをここで紹介したのだけれど
→前回作文はこちら
その時はまだ食べていなかった、特にうまい缶詰があったのだった。
不覚だった。
これは、早く書いておかねばなるまい。
まず 「金華サバの水煮」 が私のいちおしだ。

開けたところ。

大きな身が、ギッチリ詰まっている。
水煮といっても、適度な塩がきいていて
そのままでおいしく食べられる。
原材料を見ると、サバ、塩 以上。
非常にシンプルだ。
食べてみれば今までの 「缶詰にした魚っぽさ」 がまったくない。
缶詰くささがない、ってことなのかもしれない。
身がこれ以上ないんじゃないかと思うほどにやわらかくて
腹の方の身がとくにうまく、とろけそうに脂がのっている。
サバ好きの私は、たまらない。
脂はにくづきに旨い、と書くというのはほんとうである。
サバシリーズはほかに醤油煮、味噌煮があるが
味付けが控えめなほどサバが柔らかいのではないかと思われる。
(味噌煮の方はまだ食べていないので試してみたいとおもう。)
味が物足りなければ、水煮にちろっと醤油をかける。
なにもないときのおかずにも、
おいしいお酒があるときのおつまみにも最適だ。
やったことはないけれどこの缶詰で作った
炊き込みご飯もうまいらしい。
それはもううまかろう、とおもう。
このサバシリーズは
秋にとれる金華サバをいっぺんに缶詰加工して
缶詰が売り切れたらそこで終わりだそうである。
サバの品質、鮮度にこだわった限定商品だという。
しかし今の季節でも手に入るのでかなりの量を作っているとみえる。
せんじつ木の屋さんの工場見学をしてきて
色々とお話を聞くことができた。
「魚をさばき、身を切り分けたらまず缶詰に詰め
それから熱や調味料を加えて
それぞれの味に仕上げる」 ということだ。
「缶詰の中がまるで圧力鍋のようになり・・」 という説明があって
それはうまそうだ!と単純な私は、おもった。
最初に食べた時、このびっしりと詰まっていて
なおかつサバの断面がピシっとしているのは
なんとも不思議だと思っていたけれど
成る程そういうわけだったのか、と腑に落ちた。


これはさんまの醤油煮。
さんまってこんなに癖がなかったっけ。そしておいしかったっけ?
さんまが好きな人は、季節である秋以外どうされているだろうか。
これをお勧めします。
イカはさんまがすごく好きだけれど、東京にいた時は
さんまの味に不満だったらしく
「この缶詰の存在を知っていたら
送ってもらって食べてただろう」 と言っていた。

ラストは真イワシの醤油煮。これはサバ以上に
ほんとうの限定品らしい。
イワシという魚は昔は大量にとれたらしいけれど
特に真イワシは今余りとれないので貴重らしい。
サバに比べてあっさり目だけれど
これもとても身がやわらかくておいしい。
イワシはやわらかいのだという。
魚へんに弱いと書くのはそういうことなのか。
上記のようなことを東京の実家に熱く語ったら
送ってほしいと言われた。
嬉々としてサバ、さんまの缶詰めを送ったところ
とてもうまい、とのこと。
一時期にたくさんとれるものをおいしく加工することは
すばらしい。
その土地だけでなく、離れたところにいる人も
同じおいしさを感じることができるからだ。
そして、缶詰は日持ちがとても長い。
ここまでうまい缶詰をつくっている木の屋さんは
とってもえらいのである。
→前回作文はこちら
その時はまだ食べていなかった、特にうまい缶詰があったのだった。
不覚だった。
これは、早く書いておかねばなるまい。
まず 「金華サバの水煮」 が私のいちおしだ。
開けたところ。
大きな身が、ギッチリ詰まっている。
水煮といっても、適度な塩がきいていて
そのままでおいしく食べられる。
原材料を見ると、サバ、塩 以上。
非常にシンプルだ。
食べてみれば今までの 「缶詰にした魚っぽさ」 がまったくない。
缶詰くささがない、ってことなのかもしれない。
身がこれ以上ないんじゃないかと思うほどにやわらかくて
腹の方の身がとくにうまく、とろけそうに脂がのっている。
サバ好きの私は、たまらない。
脂はにくづきに旨い、と書くというのはほんとうである。
サバシリーズはほかに醤油煮、味噌煮があるが
味付けが控えめなほどサバが柔らかいのではないかと思われる。
(味噌煮の方はまだ食べていないので試してみたいとおもう。)
味が物足りなければ、水煮にちろっと醤油をかける。
なにもないときのおかずにも、
おいしいお酒があるときのおつまみにも最適だ。
やったことはないけれどこの缶詰で作った
炊き込みご飯もうまいらしい。
それはもううまかろう、とおもう。
このサバシリーズは
秋にとれる金華サバをいっぺんに缶詰加工して
缶詰が売り切れたらそこで終わりだそうである。
サバの品質、鮮度にこだわった限定商品だという。
しかし今の季節でも手に入るのでかなりの量を作っているとみえる。
せんじつ木の屋さんの工場見学をしてきて
色々とお話を聞くことができた。
「魚をさばき、身を切り分けたらまず缶詰に詰め
それから熱や調味料を加えて
それぞれの味に仕上げる」 ということだ。
「缶詰の中がまるで圧力鍋のようになり・・」 という説明があって
それはうまそうだ!と単純な私は、おもった。
最初に食べた時、このびっしりと詰まっていて
なおかつサバの断面がピシっとしているのは
なんとも不思議だと思っていたけれど
成る程そういうわけだったのか、と腑に落ちた。
これはさんまの醤油煮。
さんまってこんなに癖がなかったっけ。そしておいしかったっけ?
さんまが好きな人は、季節である秋以外どうされているだろうか。
これをお勧めします。
イカはさんまがすごく好きだけれど、東京にいた時は
さんまの味に不満だったらしく
「この缶詰の存在を知っていたら
送ってもらって食べてただろう」 と言っていた。
ラストは真イワシの醤油煮。これはサバ以上に
ほんとうの限定品らしい。
イワシという魚は昔は大量にとれたらしいけれど
特に真イワシは今余りとれないので貴重らしい。
サバに比べてあっさり目だけれど
これもとても身がやわらかくておいしい。
イワシはやわらかいのだという。
魚へんに弱いと書くのはそういうことなのか。
上記のようなことを東京の実家に熱く語ったら
送ってほしいと言われた。
嬉々としてサバ、さんまの缶詰めを送ったところ
とてもうまい、とのこと。
一時期にたくさんとれるものをおいしく加工することは
すばらしい。
その土地だけでなく、離れたところにいる人も
同じおいしさを感じることができるからだ。
そして、缶詰は日持ちがとても長い。
ここまでうまい缶詰をつくっている木の屋さんは
とってもえらいのである。
2010年05月02日
中華楼のラーメン
2年前の夏、石巻に初めて来て
最初に食べたものが「中華楼」さんのラーメン。
市内では有名らしく、お昼時に行くといつもにぎわっている。
結構広いスペースのお店なのにもかかわらず
入りきらなくて外で待っているお客さんがいるのを
目にしたこともある。
味はラーメンのなかではわりと変わっているとおもう。
変わっているといっても突飛ではなく
魚の出汁がきいているタイプの、すーっとした繊細な味のスープ。
あっさりしたラーメン、いや「中華そば」と
よぶ方が合ってるかもしれない。
今まで合計6~7回弱は行っただろうか。
地元の家族連れと見えるひともたくさん来ていて
色々な世代に親しまれているのがわかる。
町の中華料理屋さんなので、ラーメンだけでも数種類あり
他にも酢豚や炒め物、チャーハン、餃子などもある。
でもやっぱり私の好きなのは冒頭の写真の
一番ふつうのラーメンだ(次点はチャーハン)。
せんじつまた行って来た。
お昼前、開店直後に行ったらいつもよりももっと
おいしかったような気がする。
スープのやさしい感じ、麺のいきのよさがことに光っていた。
中華楼のラーメンはお酒を飲んだ後の〆とか、または
風邪の治りかけとかにも最適なかんじがする。
胃が疲れていてもまったく問題なく食べられるような味だ。
量もほどよい。トッピングも三枚肉のチャーシュー、ねぎ、メンマと
限りなくシンプル。
麺の縮れ具合が好き。
これは観光で訪れたひとにもおすすめできないだろうか。
東京で幅をきかしているようなこってりしたラーメンは
その日のカロリーも、他の物を食べる余裕も
全てさらってくれるものだが
中華楼は1人でラーメン一杯食べても軽食感覚だ。
かりに半日を石巻で過ごすとして
他に寿司とか食べたくなっても、成立する食べものである。
それに、半ラーメンも300円で出してるので
それでもいいかもしれない。
何度も通った中華楼だけれど、今回驚きがあった。
ソフトクリームも名物らしく、今までは寒かったのもあり
そしてラーメン屋でソフトクリームってないよなぁと思って
頼むことはなかった。
しかし、子供がラーメンの後にソフトクリームを食べているのを見て
何だかおいしそうだと思っていて、今回注文してみたのである。
ほどよい小ぶりサイズのソフトである。
驚いたのは甘さが相当ひかえめなこと。
牛乳の味はすごくするのに、脂肪分は少ない。
微小の氷の粒粒がなめらかにクリームとまざっている。
ラーメン食べ終わりかけにたのんでみることをお勧めする。
うまく信じられないのだけれどラーメンのスープとも
相性がいいような気がしてならないのだ。
ソフトクリームも昔から名物だというのが腑に落ちた。
中華楼ファンはたくさんいると思うので心配はないだろうけれど
これからもお店が長く続いてほしいものだなぁとおもう。
2010年04月21日
二色餅
すごく気になってはいたのに
じっさい入るのに随分かかったのである。
近所にある「二色餅」のお店。
道路の角にポツンと存在している。
二色の餅という名前。
テントの色が二色にわけられている。
なにやらとても目立っていた。
おいしそうとかどうとかいう前に
なんだかすごいような印象である。
そして「そば」という袖看板もでていて更に謎である。
イカの妹のこいもちゃんによれば
そこのお餅は「おいしい」らしい。
こいもちゃんの舌は信用がおけるので
今回通りかかったのを理由に入ってみた。
いつもサッシ越しにおぼろげながら
薄い赤と緑のお餅が並んでいるのを見てはいた。
餅の入ったガラスケースを見ながら
ええと、と、選ぼうとすると
売っているお姉さんが「赤と緑と白どれにします」と。
今日は三色なんですね、と心でおもう。
赤と緑にする。
形がいびつなのだが
保っていられない程にやわらかなのだった。
お菓子としてのジャンルは大福なのだけれど
大福というよりは羽二重もちのような感じで初めての味。
緑のほうは草餅であんこと相性がよく
赤いほうはこくのある白あんで
大福に白あんとは意外だったけれどおいしい。
あんこに塩がきいているのがまた良い。
もしかすると餅にも入っているのかも。
そのおかげもあってかあと口が非常にさっぱりしているので
食べ進めてもお腹にたまらない。
いくらでも食べられそうだと錯覚してしまう
すごくふわっと軽いもちだ。
そば、の看板も偽りではなく
店内にそばやうどんの品書きが貼ってあり
その時は朝早かったのでお客さんはいなかったが
客席もあった。
気になるので次回食べてみよう。
思ったのは、この餅であればそばを食べた後でも
余裕で平らげることができるだろうということ。
2010年04月12日
胡麻ちゃきん
「石巻名物 ちゃきん」の胡麻味を
みつけてしまったのです。
石巻しみん市場へ行ったある日
菓子売り場にて本日もちゃきんが
置いてあることを確認した。
その日はお菓子を買う予定ではなかった。
おいしかったなぁ、これ、と思い出しながら見ると
このあいだのちゃきんの横に、似たものがもうひとつ。
何!胡麻味!!
オレンジ色の目立つシールが貼ってあるではないか。
私は、胡麻がとても好きだ。
しかも風味の濃い黒ごまである。
買います。
帰るが早いか、開けてみた。
まず、皮のほうにも黒ごまが練りこまれているのに感動。
しかも粗めに擂ったような感じで、それがいい。
中のあんにも、ごまがたっぷりなのだが
皮が一緒じゃちょっとがっかりなところだった。
加藤菓子店さんえらい、とおもう。
噛むとむちーとして、ホドヨキ甘味のごまあん。
皮とあんの二重の香ばしい風味に
しみじみと、おいしい、とおもった。
うーん、では更にくるみ味とか作ってもらえないものか?
と、勝手な願いが頭に浮かぶ。
このあたりはくるみがよく取れるらしく、しかもおいしいのだ。
それか、さつま芋味。どうですか?
ほんとうにこのあたりはおいしいご当地お菓子が多い。
寿司ばかり推してないで、菓子も推したらいいのに。
ただ、おいしいお菓子はえてして
小規模なお店で作っている。
たくさんの量は作れないと思われるので
難しいのかもしれないのだが。
また、客寄せとしては地味かもしれない。
しかし、東京やその他都会では
なかなか食べられないような地味で
素朴なお菓子って一定の需要はあると思うのだが。
※過去の記事→「石巻名物 ちゃきん」もよろしければお読みください。
2010年04月02日
もち三昧
「上品の郷(じょうぼんのさと)」という道の駅に
もう4回目くらいだろうか、また行ってしまった。
片道1時間かけて自転車で行った。きつかったけれど
春らしい農村の風景が見られたのと
運動不足解消になったのとで、よかった。
今回は「餅」が私のテーマである。
餅ではないけれどつい手に取ったのが
この焼きみそおにぎり。
作りたてらしくホカホカである。
中に真っ赤なカリカリ梅ぼしがはいっていた。
米がうまいんだ。ほんのり甘い。
次はずっと食べてみたかったシリーズ。
一口大のつきたてもちにさまざまなあんがかかっている。
きれいな緑いろのずんだもちを手にとりかけたが
うすい茶いろの「くるみもち」(左写真)が
むしょうに食べたくなって買う。
休憩所で食べてみると、これがヒジョーにうまいのである。
くるみがクリーム状になるまでつぶしてあり
おそらく砂糖たっぷりですごく甘いのだが
下品にならないぎりぎりのところでとどめてある感じ。
味の濃い山くるみである。ナッツの独特な油脂が私は好きだ。
くわえて香ばしくコクのある味が好きなので、かなりしびれた。
トローリとしたくるみあんが、これでもかとかかっていて
餅は5個くらい入って400円だ。
もうひとつは(右写真)「なっとうもち」
納豆はご飯で食べるものではないか?と思っていたが
はなはだ誤解である。
納豆は餅と食べるのもかなりいいのだ。
もちにぴっとりと寄りそう納豆よ。
ご飯にはない、この吸着の強い感じ。一体感があった。
納豆特有のひなびた感じの味が
餅と食べるとなぜかなつかしい気分になった。
「ひと口大にまるめた餅にさまざまなあんをからませて食す」
という習慣が東北では昔からあり、
甘いものではあんこ、ごま、じゅうねん(えごま)、
ずんだ(枝豆)、あめ(麦芽糖)などがあり
甘くないものでは納豆、生姜などがあるそうだ。
そんなことを調べていると
がぜん餅を自分でついてみたいという気持ちがする。臼と杵で。
2010年03月25日
石巻名物 ちゃきん
こんなものを見つけた。
ちゃきん、というお菓子で「石巻名物」と書いてある。
ちゃきんといったらまず思い浮かべるのは茶巾ずし。
五目ずしのようなめしが黄色の薄焼き卵に包まれ
海老の紅が飾られた食べもので
最近食べていないけれど、めでたい感じのおすしである。
それから、芋や栗やカボチャなどをふかしてつぶし、砂糖を入れ
ひとくち大にまとめ、さらしでキュッとしぼったもの。
あれも、ちゃきんの代表格だと思う。
そうそれで、こんなちゃきんはいままで見たことない。
粉をクレープのように焼いて、こしあんを包んだものだ。
きめが細かく白い三角形の、
2・3口で食べられそうな適度な大きさがかわいい。
皮はもちっとしているので、米粉かなにかがはいっているのか。
まんじゅうでもたいやきでもあんこより皮が好きである。粉が好きである。
噛むと見ためよりもむちー、とする。ぐっときた。
こしあんはなめらかでしっかり甘い。
私は「あんこは粒あん」派だと思っていたが
あんこのこまかな粒子がじーんと舌を包むこの感じがいい。
糖分がしみわたる。
気にいってしまった。
けっこうおなかが満足してるときに開けたのだけれど
ついつい、ひとつふたつといけてしまった。
これは加藤菓子店というお店で作っているもの。
石巻しみん市場、というのが港の方にあってそこで買った。
そこは地場野菜、魚、加工品、総菜、お菓子など普通のものから
ちょっとひねったものまで 色々と置いてある。
市場は好きなので時々行くがたのしい。
パソコンでしらべるとどうも石巻の「ちゃきん」はもう一軒あるらしい。
今回のは加藤さんだが、そちらは佐藤さんがつくっているそうだ。
皮が薄く、あんこが透けるようで、しかし餅のように伸びるらしい。
なにやら、うまそうではないか。こんどはそれを食べたい。