FC刈谷戦で2年4カ月ぶりの先発出場が濃厚となったグランパスのGK西村=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスのGK西村弘司(28)が8日の天皇杯2回戦・FC刈谷戦(福井テクノ)でゴールを守る可能性が高くなった。正GK楢崎と第2GK高木が故障などで欠場する見通しとなったため。昨季出場機会ゼロだった“第3の男”が、スーパーセーブでチームを勝利に導く。
待ちに待ったチャンスだ。前回公式戦でゴールマウスを守った試合は2010年5月22日のナビスコ杯の大宮戦。1−3で敗れて以来、実に2年4カ月ぶりに巡ってきそうな出場機会に西村の気持ちは自然と高ぶる。「不安があったら出ない方がいい。準備はできています」と決意を口にした。
GK陣は“非常事態”に見舞われている。正GKの楢崎は6月に手術した左膝に不安があり、6日は別メニュー調整。FC刈谷戦は大事を取って欠場するとみられる。第2GKの高木も4日の練習で右ふくらはぎを肉離れして戦線を離脱。第3GKの奮闘に頼るしかないのが現状だ。
出番がない間も西村は人一倍の練習量を重ねてきた。冬の間は連日クラブハウスへ現れて自主トレした。「試合に出ていなくても、しっかりした練習をしてきた」と言う。選手会副会長として若手からの信望も厚い。
7月には長女が誕生した。「上の子(長男)とはまた違って、かわいいですね。まだ首もすわっていなくて、寝てばかりいるんですけど」と笑顔。新しい家族の存在も西村の心を強くしている。
「『久しぶり』とか考えすぎず、自然体で目の前のプレーに集中したい」と西村。雌伏の2年間を糧に、ピッチで実力を証明する。 (木村尚公)
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