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【大リーグ】

オリオールズが15年ぶりの9月首位

2012年9月6日 紙面から

◇オリオールズ12−0ブルージェイズ

 【セントピーターズバーグ穐村賢】ア・リーグ東地区で“事変”が起きた。今季も盟主ヤンキースの一人勝ちで“無風区”と思われていたが、オリオールズが4日(日本時間5日)、敵地でのブルージェイズ戦に大勝、ヤンキースがレイズに逆転負けしたことで、オ軍とヤ軍が同地区首位タイとなった。オ軍が9月に首位に立つのは最後に同地区Vを成し遂げた1997年以来15年ぶり。ヤ軍は3位レイズとも1・5ゲーム差の僅差に迫られた。歴史的大失速でプレーオフ進出を逃した昨季のレッドソックスの二の舞いとなる可能性も出てきた。

 日本球界のツバメやワシ、タカの元気はもうひとつだが、ア東地区ではムクドリモドキ(オ軍チーム名の由来となった地元メリーランド州鳥)のさえずりが止まない。

 この日は投打がガッチリかみ合っての快勝。3連勝中の先発左腕ザック・ブリトン(24)が7イニングを4安打無失点、8奪三振に抑えるなど3投手が完封リレーを見せれば、打線は今季最多18安打で12得点の猛攻。同地区最下位Bジェイズに全く付け入る隙を見せず、球団公式サイトなどによると、殊勲者の一人、ブリトンは「みんなが役割を果たした」と勝利の余韻に浸った。

 ヤンキースがレイズに敗れたことで、オ軍は6月7日以来の首位タイに。9月に入っての首位は、最後に地区優勝を果たし、プレーオフに進出した1997年以来の“快挙”となったが、まだ通過点ということか、オ軍には全く浮ついたところが見えない。

 好リードでブリトンを4連勝に導いた球宴捕手のマット・ウィータース(26)は「首位は確かに居心地がいいが、われわれのゴールはここではない。大事なのはレギュラーシーズンの最後にこの場所(首位)にいることだ」と“勝ってかぶとの緒を締める”だった。ブリットンも「まだ先は見ない。目の前の、今この瞬間に集中するだけ」と力を込めた。

 まさかの快進撃と言っていい。開幕前の評価は断然の地区最下位候補。だが、今や先発陣の柱となった左腕チェンの加入、守護神J・ジョンソンをはじめとする安定感抜群の救援陣の活躍で、課題のチーム防御率が飛躍的に向上。昨季リーグワーストの4・89から今季は同7位の3・98(救援陣に限れば同3位タイの3・00)と改善されたことで、1点差試合や延長戦などでことごとく競り勝ってきた。ヤ軍の大失速もあるが、7月18日時点での最大10ゲーム差をほぼ1カ月半で詰めた力はフロックではない。

 ショーウォルター監督は「春季キャンプから“目標”達成には克服すべきものがたくさんあると言ってきた。それは今も変わらない。今後も足元を見つめた戦いをするだけ」。オ軍の“春”が近づいている。

 

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