大塚良治の鉄道ブログ

鉄道経営を専攻している大塚良治のブログです。鉄道のいまをお伝えします。ご期待下さい。詳細なプロフィールはホームページ http://jr-group.jimdo.com/ をご覧下さい。

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「公共交通応援団」を自任する私ですが、昨夜はバスでとても残念な体験をすることになってしまいました。


赤羽駅西口23時20分発国際興業バスときわ台駅行き深夜バスで「事件」は起こりました。


私は赤羽駅23時16分着湘南新宿ライン小金井行きを降りて、トイレを大急ぎで済ませて、バス乗り場へと急ぎました。その甲斐あって、何とかバスに間に合うことが出来ました。


そして、運賃を払おうと財布の中を見ると、1万円札と5千円札しかありません。運転手さんに聞くと、両替はできないとのこと。そして、極めつけは「PASMOかSuicaは持ってないですか?」という運転手さんからのキラー・クエッション。


Suicaを持ってはいますが、普段はIC乗車券を使用しないので、お金はほとんど入っていません。


「これは最終バスではないですよね?」と私が運転手さんに聞いても、「申し訳ありませんが、降りてバス停の時刻表で確認してください。」との冷たい一言のみ。幸いにも、最終バスの1本前の便でしたが、これが最終バスでも高額紙幣には乗車拒否するのでしょうか。


どうすればよいか途方にくれましたが、結局は運転手さんの「申し訳ありません。」の一言で、事実上の乗車拒否となったのでした。「乗ってもいいですよ。」という温情ある一言はついぞ聞かれることはなかったのです。


確かに、バスでは事前に1,000円札か小銭を用意するようにとアナウンスされていますが、このような不測の事態だったあるのです。


そもそも、鉄道は釣札がなくても、乗車拒否などまずしません。航空やフェリー、タクシーは、必ず釣札を用意しています。


釣札がないという理由で乗車拒否するのは、バスだけではないでしょうか。バス事業者は営利企業である前に、「公共交通機関」なのです。釣札がないという理由で乗車拒否する姿勢は「営利企業」の姿勢であって、「公共交通機関」の姿勢ではありません。もちろん。サービス業としても失格です。


つり銭がないなら、住所等を尋ねた上で、後で必ず支払うという条件で、便宜乗車を認めるべきです。それが嫌なら、つり銭を用意すればよいだけのことです。


それに、PASMO・Suicaのチャージを受け付ける運賃箱の中に、千円札がたくさん入っているはずでしょう。機械を開けて、千円札を取り出せるように、なぜしないのでしょうか?最も簡単な解決法は、運賃箱を高額紙幣対応にすることです。運賃210円の場合、1万円札を運賃箱に挿入すれば、9,790円のお釣りが出るようにすればよいだけのことでしょう。


首都圏のバス会社は、バスカードの時代には、大抵は釣札を用意していました。いちいち千円札を用意していたら、コストが高くつくという反論もありますが、バスカード時代にはきちんと用意していたのです。それが、IC乗車券になってから、そうした便宜は図らなくなったのでしょう。


釣札を用意しないのはバス事業者の都合であって、乗客には関係のないことです。いくら事前に1,000円札か小銭を用意するようにと言ったとしても、用意できないことだったあるのです。


近年、バス路線は毎年2,000kmずつ廃止されています。日本バス協会に加盟しているバス事業者は2,440社(者)(うち、一般路線バス事業者は523社(者))もありますが、黒字の一般バス路線事業者は数えるほどしかありません。バスを取り巻く環境はとても厳しいのが現状です。


しかし、ときわ台駅-赤羽駅西口の赤53系統は、国際興業の中でも屈指のドル箱路線です。きっと、乗客が一人減ろうが痛くも痒くもないのでしょう。


それでも、バス事業者にとって最も重要なことは、一人の乗客も失わないことです。赤53系統のようなドル箱路線とて例外ではありません。今後少子化でどのバス路線も例外なく乗客が減ることは間違いないからです。


温かい対応をすれば、その乗客はきっとバス事業者のファンとなるに違いありません。私は、駅員さんやフライトアテンダントさんに親切にして頂いた事は、今でもしっかりと覚えています。


「公共交通機関」として、そしてサービス業として、国際興業には、もう一度顧客第一の視点に立って、サービス内容を見直していただきたいと思います。

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