尖閣諸島:中国との関係悪化も…国購入で合意
毎日新聞 2012年09月05日 22時17分(最終更新 09月05日 23時59分)
政府は尖閣諸島(沖縄県石垣市)の3島の購入で地権者と合意し、国有化へ大きなハードルを越えた。野田佳彦首相が合意を急いだ背景には、10月に交代する中国の胡錦濤指導部の在任中に決着をつけ、次期指導部との摩擦を最小限に抑える狙いがある。しかし、中国外務省の洪磊(こうらい)副報道局長は5日の記者会見で「国家の領土や主権を守るため必要な措置を取る」と批判を強めた。胡指導部との関係が日本側の思惑を超えて悪化しかねないとの懸念も出ている。
石原慎太郎東京都知事が4月に購入計画を表明したのを受けて、政府は7月に国有化方針を固めた。長浜博行官房副長官が都内のホテルで地権者と会うなど水面下の交渉を重ね、今月3日に約20億5000万円で購入することで合意した。