城の山古墳:近畿の影響受けたとみられる弓など発見 新潟

毎日新聞 2012年09月06日 20時45分(最終更新 09月06日 23時58分)

多数の副葬品が発見された「城の山古墳」の墓坑=新潟県胎内市で2012年9月6日、小林多美子撮影
多数の副葬品が発見された「城の山古墳」の墓坑=新潟県胎内市で2012年9月6日、小林多美子撮影

 古墳時代前期(4世紀前半)としては日本海側最北にある「城(じょう)の山古墳」(新潟県胎内市)で、近畿地方の影響を受けたとみられる弓や、矢を入れる漆塗りの箱「靫(ゆき)」など多数の副葬品が発掘された。当時の大和政権の勢力範囲が新潟北部まで及んでいたことを示しており、これまで文献などで確認されていた時期を約300年さかのぼるという。同市教委が6日発表した。

 日本海側の大和政権の勢力範囲を示す史料は日本書紀に、蝦夷(えみし)討伐のために「渟足柵(ぬたりのき)」を647(大化3)年に設置したと書かれているのが最古。渟足柵は現在の新潟市北部にあったと推定され、今回の発掘で、その約300年前に北に勢力を拡大していたことを示すという。日本海側で同様の副葬品が発掘されたのはこれまで、石川県七尾市の国分尼塚1、2号墳が北限だった。

 胎内市教委によると古墳は、楕円(だえん)形の円墳で直径約41メートル。内部には被葬者と副葬品を納めた国内最大級の舟形木棺(長さ約8メートル)があった。盗掘された形跡はなく、銅鏡や勾玉(まがたま)、太刀、弓矢など当時の副葬品がほぼそろった状態で発見された。靫は全国で5例目の発見という。被葬者とみられる骨片や、木材を削る工具の※(やりがんな)や鎗(やり)とみられる副葬品も見つかった。発掘指導委員長で新潟大人文学部の橋本博文教授は「全国の前期古墳研究の基準となりうる重要な古墳だ」と評価している。

 現地説明会が8、9両日の午前10時と午後1時に開かれる。問い合わせは同市教委(0254・47・3409)。【小林多美子】

※は金へんに施の右側

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