【ロンドン会川晴之】欧州系格付け会社、フィッチ・レーティングスは７日、財政・金融不安が拡大するスペインの長期信用格付けを従来の「Ａ（シングルＡ）」から、「ＢＢＢ（トリプルＢ）」に３段階引き下げたと発表した。理由として不動産バブル崩壊や欧州債務危機の影響で不良債権が膨らむ国内銀行への資本注入額が最大１０００億ユーロ（約１０兆円）に達する可能性があると分析。同国財政が一段と悪化する可能性を指摘した。

　「ＢＢＢ」は上から９番目の格付けであと２段階格下げされれば「投資不適格」となる。フィッチは同国の景気後退が長期化する可能性を指摘し、今後の格付け見通しも「ネガティブ（弱含み）」とし、さらなる格下げの可能性を指摘した。

　スペインの格付けをめぐっては、これまで米格付け会社、スタンダード・アンド・プアーズ（Ｓ＆Ｐ）の「トリプルＢプラス」が最低だった。今回の格下げで、フィッチの格付けはＳ＆Ｐの格付けを１段階下回った。