ニュートリノ:「光速超えたは誤り」 名大など正式撤回
毎日新聞 2012年06月08日 10時48分(最終更新 06月08日 15時22分)
素粒子ニュートリノの速さが光を超えたとする実験結果について、この結果を公表した名古屋大などの国際共同実験「OPERA」チームが8日、京都市で開催中の「ニュートリノ・宇宙物理国際会議」で「誤りだった」との検証結果を報告した。昨年秋の公表以来、アインシュタインの相対性理論を覆すとして話題を呼んだが、約8カ月で撤回された。
OPERAチームによると、速度の計測に使った全地球測位システム(GPS)とコンピューターをつなぐ光ファイバーケーブルの接続が緩んでいるのが公表後に判明。この影響でニュートリノが実際より速く測定されたとみて5月に2週間の検証実験を実施した。その結果、ニュートリノが光速を超える結果は得られなかったという。同日記者会見した小松雅宏・名古屋大准教授は「(超光速の結果は)ケーブルの緩みが原因」との見解を示した。
この日、欧米など他の3チームも検証結果を報告。いずれもニュートリノと光の速度に明確な差はなかったとした。