PV1560476、ユニーク228781、お気に入り2176、ありがとうございます。
常に行動に表の理由と裏の理由を持つレヴァンの一面が垣間見えます。
後書きにIS兵装の考察載せてみました。
sec.23/大事な話
「大事な話と聞いて来てみれば……まさか、そんなことをする気だったなんて……。最悪です、せめて一対一でしょう!」
「いや、誤解だ! アレは千冬と束がいきなり盛り出した結果であって――」
「――ちょっと、終始期待してた人が何を言うかな!」
「――恥じらいなく“あんなもの”を見せ付けておいて、その気になるなという方が無理な話だ」
「あ、あんな……おおおっきくしといて、言い訳なんてできると思ってるんですかっ?」
「そんなこと言われても、束が勝手にモードを変更したから……」
「卑猥な表現は慎んでください!」
「いや、そういう意味じや……」
すんでのところで乱入した真耶のおかげで何とか危機を脱した俺だったが、そう易々と収まるわけではないらしい。勘違いしてしまった真耶はなかなかに厄介な相手だ。
三人の主張はもっともで耳が痛くなるが、それよりまず一旦仕切り直したい。俺は「とにかく」と声を張って、赤面しながら言った。
「……まずは溜め込んだものを吐き出そう。話はそれからだ」
「うっ」
「むぅ、れっくんのいけずぅ。ちょっとくらいいいじゃん。減るものでもなし……」
千冬と束の二人はうろたえるも、束の方は食い下がる。
「だめだ。何事にも越えてはならない一線ってあるだろ」
「三股はもろに越えてるだろう、社会通念的に」
「……」
千冬の反撃に言葉を失う。
分かってる。ああ、分かってるとも、いけないことだってことくらい。
しかし俺は止まれない。必要なことだから。
「いいから、トイレ行ってこい。ほら、立てって。俺は真耶と待ってるから」
そうして二人を立たせると、手を引いて部屋の外へ連れ出す。恥ずかしいったらない。
「そんなこと言って、真耶とナニするんでしょ。束さんの目は誤魔化せませんよ」
「ないから、行ってこい」
「どんな顔して帰ってくればいいんだ……」
「……できるだけ気にしないようにする」
仕方ないのでキスして送り出すと、しぶしぶといった風で歩き出す二人を尻目に部屋へと戻る。
トップスを着ながら奥へ進むと、ベッドの上でもじもじしている真耶を見つけた。
「あのですね……確かに一対一でとは言いましたが、一対一ならしてもいいという意味ではなくてですねっ……言葉の綾と言うか何と言うか……」
「いいから、何もしないって」
二人きりになってさらにテンパり出した真耶を落ち着かせるために頭を撫でる。眼鏡がずり落ちていて愛らしい。
「……何もしてくれないのは、それはそれで残念なんですが……」
「えっと、もういいか?」
それからしばらく撫でてやったが、いまだに恥ずかしそうに俯きながらぶつぶつと何か言っている真耶に確認するも、聞き方が悪かったのか逆に蒸し返してしまった。
「えっ! ダメですよ、言ってるじゃないですか!」
よく分からん娘だ。結局、真耶が冷静さを取り戻したのは二人が帰ってきた頃だった。
「――つまり、普段はその……オ、オッキしないモードなのを束さんが勝手にオッキしちゃうモードに切り替えたってことですか?」
「まあ、だいたいそんなとこ」
二人が帰ってきてから、恥ずかしそうな千冬とようやく落ち着いた真耶に事情を説明し、何とか納得してもらえた。本当に無駄な手間だった。
「それで、そろそろ本題に入りたいんだが」
俺は自分のベッドの真ん中に座る。千冬は縁に腰を預けていて、真耶はベッドの上で女の子座り。束は端っこでぐでーんと上半身だけ乗っかっていた。相変わらず着崩れた浴衣で胸を強調するようにベッドに置いているため、目のやり場に困る。
「みんな心の準備はできてるよ。話ってきっと私たちの関係についてでしょ?」
束の言葉に頷き、俺は切り出した。
「徐々に話していこうか。まずはIS学園に来た理由あたりから」
やっぱりいきなり核心に触れるのは勇気いるしな、まずは無難なところから崩していった方がいいだろう。
“処理”の直後で恥ずかしいのか千冬が目線を合わせずに言う。
「い、今更言うほどのことか?」
「まあ、取り敢えず聞いてくれ。俺がここに来た理由は三つある。仕事上の理由が二つと個人的な理由が一つだ」
三人共静かに俺の話を聞いている。特に真耶は熱心に俺の目を見据えていた。
「内、仕事上の理由はすでに達成してる。分かると思うけど、『暮桜』に勝つことと束と面識を持つことの二つだ」
「……私に近付いたのはそのため?」
束が流し目で聞いてくる。心なしか少し暗くなっていた。
俺はそんな束の髪に指を通し、頬を撫でてやる。
「最初はな。でも段々放っとけなくなっちまってさ、愛しいって感じるようになってた。まさかそれがここまで進展するとは思ってなかったけど」
束は俺の言葉を聞いて少し安心したのか、かざした右手に擦り寄ってきて、みるみる内に俺の上半身にツタのごとく絡み付いてきた。
「そっか。まあ、政略的とか技術的に束さんが欲しいんだったら、今頃とっくに処女なんて奪われてるもんね。信じるよ、れっくん。……好き」
背中に柔らかい感触を覚えながら、俺も返す。髪から漂う芳しい香りが鼻腔をくすぐる。
「ありがとう。俺も好きだ、束」
正面に座る真耶と縁で脚を組んでいる千冬が睨み付けてくるのを苦笑で誤魔化す。一言嗜めると束は俺の隣で肩に頭を預ける形でしなだれかかる体勢に変えた。
それから視線を再びどこかへやった千冬に構わず、今度は真耶が神妙な面持ちで聞いた。
「それで、個人的な理由っていうのは、やっぱり……?」
「ああ、俺の結婚相手についての話」
とたんに場の空気が重くなった。千冬や真耶はもちろん、束まで固まっている。触れ合う肩が、明確に筋肉の緊張を伝えてくる。
「実を言うと、婚約者候補ってのも何人かいるんだ。セシリア・オルコット、アドリエンヌ・ド・リール、フェベ・フラヴィニー、他は……何だっけな。まあ、直接会ったこともない相手と見合い婚なんてごめんだから、この女の園に足を踏み入れたってわけだ。本当に大切なものは、自分で掴み取ったものの中にこそ存在すると思うから」
「うう、ここに来てライバルが増えるんですか……」
真耶が悲観するが、その必要はない。俺はここにいる三人以外の女性に興味はない。
「いや、嫁はこの三人の中から選ぶ。これは確定事項」
「そ、そうですか……でもどっちみちこの二人に勝たないといけないんだよね……ふぅ」
真耶がため息をつくと、千冬が尋ねる。
「で、三股かける理由は何だ?」
「簡単なことだよ。友達でもない相手と恋人になれないのと同じ。俺は婚約者を選定するために、三股もかけてるんだよ」
千冬はやや目を伏せてから、開き直った顔になって言った。
「……まあ、そんなところだろうとは思っていたが」
「汚い、さすがれっくん汚い」
「ああ、やっぱ最低だよなー俺。自分の都合で人の気持ち弄んで、ホント、最低だ」
ハーレムができたのは俺のせいじゃないけど、それを維持したのは間違いなく俺だ。三人の気持ちを知ってて答えを保留にして、今日までいい顔し続けていた。
「今となって見れば、みーんなれっくんの策略に見えるよ」
「否定できませんね」
「どれもこれも、な」
今日はかなり皆がズバズバとものを言う日らしい。一応、素でたらし込んだ部分もなきにしもあらずなんだがな。
「真耶に好かれてるのを分かってて、目の前で束さんとのイチャイチャを見せ付けたりとか」
「表向き寛容な態度をとりつつ、あれでスキンシップの抵抗をなくして嫉妬心を抱かせる算段だったんですね」
「キャノンボール・ファストの辺りから私の好意に気付いて、敢えて馬鹿やって私に本気ださせたりな」
「いやあれは素だ」
それからもどんどんと、叩けば埃が出るとばかりに時系列順に挙げつらわれていく罪状に、改めて自分がいかに打算的な人間なのか教えられる。無意識の内に計算してしまうことがあるため、一概には言えないかもしれないが。
「嫉妬心を煽りつつ、適度な役得で愛想を尽かされないラインを保って全員同じ早さで恋を進展させていく。まさに飴と鞭、私たちは体よく調教されてしまったわけだ」
「千冬っ、俺は別にそんなつもりじゃ……」
自嘲するように言う千冬に言い返そうとするが、俺の言葉はすんでのところで束によって遮られた。
「関係を恋人から夫婦に徐々に近付けながら私たち自身ですら把握してない自分の一面を発露させて、本当の私たちを見極める。さすがにそこまで念入りに選んでもらえるなら、いいかもって思っちゃうかもね」
「俺は、この娘ならいいかもしれないって思いじゃなくて、この娘じゃなきゃだめだって思える娘と結婚したいんだよ」
束にそう返すと、笑って頬にキスされた。真耶と千冬も近寄ってきて、それぞれにせびってくる。
三人を胸にかき抱く内に、愛しさが増大し放したくなくなっていく。千冬、束、真耶の三人にはそれぞれ異なった魅力があって、その上各々が大きく成長したから、人間的にも美しくなっているだろう。
「はぁ。こうやってキスも日常的な愛情表現にすることで、私たちの好意を増大して一層離れられなくするんですね。分かってて張り合っちゃう私たちも私たちですけど……」
眼鏡を外して上目遣いで口を尖らせる真耶は、いつになく可愛い。束はいつものように目を細め気持ちよさそうに正面から抱きついて来ていて、千冬は恥ずかしそうにしながらも乗り遅れまいと頬を染めながら俺の目を見つめてくる。
すると調子に乗った束が俺を押し倒し、便乗したというか張り合って後に続いた二人によって完全にホールドされた。
「れっくーん!」
「ったく、束は……」
「エヘヘ♪ 一生で最初で最後の、たった一度の恋だもん。思いっきり楽しまないでいらいでかー!」
「束……」
大げさすぎると一瞬思ったが、束なら本当にそうなるかもしれないと考えて笑えなかった。
「え……ちょっと、もうっ、暗い顔しない! スマイルスマイル! 束さんのリアルな感触に悶えてニヤニヤしてればいいんだよ、れっくんは」
「束さん、さっきの文句はずるいです」
「そうだぞ、枷をはめるような真似はするな。私でもしなかったというのに……」
「うぅ……」
二人に咎められて縮こまる束に笑みを向けて助け船を出す。
「いいって、ちゃんと人格を見て選ぶから。それより早く寝よう。……狭いけど」
とびきりの美少女三人に埋もれてベッドに寝転ぶ。風呂上がり特有の女の子の香りを漂わせながら、三人は密着してくる。
「何、詰めればどうということもない」
「お腹の上は束さんの定位置だから悪しからずだよ」
「ずるいです、ローテーション組みましょうよっ」
「おい、過度なスキンシップは不純異性交遊に――」
俺の抵抗も虚しく、千冬に斬って捨てられる。
「三股かけてる分際で、どの口が言う」
「大丈夫、束さんがちょっと我が儘言えば学園側も全部スルーだから」
束が背中に腕を回しながら言う。つまり、俺に逃げ場はないと……。
案外、ミイラ取りがミイラになったのかもしれない。一人を選んだ後、残った二人への想いを断ち切る自信が少しずつなくなっていくのを感じる。
できるだけそのことは考えないようにしながら、俺は柔らかい温もりの中、微睡みに身を任せていった。
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『IS用ハンドガンについての考察』
あちこちで見受けられるので取り上げてみました。ハンドガンとは「片手で扱える小型銃器」と定義され、携行性と取り回しが利点ですが、ISの兵装としては矛盾だらけの存在です。
量子変換できるので携行性は意味なし、パワーアシストがあるので取り回しの良さと軽さも意味なし、有効射程が極端に短い上敵の攻撃を受けるリスクを背負ってまで近付いて使うに値する火力もなく、連射できないため制圧力はほぼゼロで牽制にもならない。アリーナなら射程的にはカバーできるかもしれませんが、どんなに口径を大きくしても速射性が低すぎて機関銃には撃ち負けます。
見れば見るほどデメリットしかないですね。合理的に考えれば分かると思いますが、作中に登場させてる作者様方はちゃんと考えているのでしょうか?
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