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ヒトゲノムの80%に役割
9月6日 17時58分

日本やアメリカなどの国際プロジェクトは、6日、ヒトのゲノムと呼ばれる遺伝情報のうち、少なくとも80%に何らかの役割があることを解明したと発表しました。

エンコード計画と名付けられたこの国際プロジェクトは、ヒトの染色体にあるゲノムと呼ばれる遺伝情報のうち、どの部分がどのような働きをしているか明らかにしようというもので、日本からは理化学研究所が参加しています。
プロジェクトは、147種類の細胞を使ってゲノムを解析した結果、たんぱく質を作り出す遺伝子のスイッチを必要なときに必要な場所で入れるなど、少なくとも全体の80.4%に何らかの役割があることを解明したとしています。
ヒトの遺伝情報は、9年前にすべて解読されましたが、遺伝子として働くのは2%程度で、残りの部分がどのような役割を果たしているのか分かっていませんでした。
生命の維持に必要なたんぱく質が正しく作られないと、がんや認知症といったさまざまな病気が引き起こされると考えられることから、理化学研究所では、今回明らかになった機能をさらに詳しく調べることで、新たな治療法や薬の開発につながる可能性があるとしています。

“病気の解明や薬の開発に期待”

今回の成果について、理化学研究所の前のゲノム医科学研究センター長の鎌谷直之博士は「これまでヒトの遺伝情報の配列が細胞の中でどのような役割を果たしているのか、ほとんど分かっていなかった。今回は、遺伝情報の80%が、何らかの役割を果たしていることが示されており、研究のベースとなる、遺伝情報の百科事典ができたと言える。配列の違いによって何がもたらされるのか詳しく分析することで、病気の原因の解明や薬の開発などに役立つと期待される」と話しています。

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