人類は衰退しました・第10話
話が思い切り戻った。「わたし」が学舎を出て祖父のいる調定官事務所に入った所まで。村の様子が「最近」の様子から見たら随分と荒廃して見えるのは気のせいだろうか。
着任した「わたし」は祖父から何でまた好きこのんでこの仕事に就いたのかと聞かれたが、これが自分の体力を考えた結果だと言う。今の人類の主立った労働は農業の様な口ぶりだった。しかし人類最後の学舎の卒業生がそんなに就業先が無かったのだろうか。いや、国連調定官事務所を選べるだけ自由がきいたのかもしれない。
どう仕事をすれば良いのかと祖父に聞いてみるものの、祖父の回答はかなり曖昧。挙げ句の果てに祖父の前任者の日記が参考になるだろうと出して来た。いや、あんた自身の記録は無いのか。
そこには彼等(ここでは未だ妖精とは明示していない)から、今では人類は滅多に食べる事の出来ない肉などの料理でもてなされている、もてなし尽くされている姿が浮かび上がる。何となく適当にやっていればよさそうな仕事との認識に至った「わたし」だったが、それでも着任したてと言う事でどうやってか接触をしようと試みる。
妖精の帽子マークのある所に行っても姿が見えなかった妖精さんをおびきだそうと金平糖を市場で購入。缶の中に金平糖を入れ、祖父から楽しげな雰囲気を演出するのが肝要と言われて旗も立ててみる。そして隠れて様子を窺うが、うっかりそのまま寝てしまう。ところが気がついてみると妖精さん達がわらわらと。「わたし」が近づくと蜘蛛の子を散らす様に逃げてしまった妖精さん達だが、缶の中には3人が取り残されたままだった。
これを反射的に「わたし」が蓋をして拉致w
どう言う感じで接して良いのか分からない「わたしは」取り敢えずエスプリのきいた冗談で。
「何か召し上がりますか?それともあなたたちの事を私が美味しく食べてしまいましょうか?」
それ、エスプリ違うじゃん、ブラックじゃんw
怯えた妖精さん達をとりあえず金平糖で懐柔し、コミュニケーションの継続。個体の呼び方が分からないと不便と言う事で、名前をつけてあげる事にした。1人目はキャップさん、2人目は日系の印象からナカタさん、3人目は自分でつけたいと言う事でサー・クリストファー・マクラーレン、4人目も自分でつけてサー・チクワ。
個体に名前を付けると言う面白い事象に、再度妖精さん達の生息地を訪れた「わたし」に一度は警戒した他の妖精さん達も命名をして貰おうと群がる。これはちょっと「わたし」の力の及ぶ所ではない。並ぶの中止。そんな訳でここにある人名辞典から好きな物を選べーと言う御託宣を下した。
まさに御託宣だった。
次に妖精さん達の都市国家を訪問した時に「わたし」は神となっていた。この事態はまずい、妖精さん達の世界に容喙しすぎだと感じた「わたし」は妙手を思いついた。タッチして、「神」の座を禅譲。一度「神」になった相手にはもう譲れないと言う事で、たちまち「神」の座は「鬼」の座となってしまった。
鬼ごっこの混乱のうちに妖精さん達が作った都市国家は崩壊。空しく「わたし」の像が建ったままだが、それとても倒れる運命に。
でも祖父はこれが妖精さん達とのつきあい方だと言う。
まあ順調な仕事始めだったじゃないw