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決算説明会 質疑応答

2012年3月期第2四半期決算 質疑応答

日時 2011年10月24日 (月) 17:00~18:30
場所 ガーデンエアタワー20階会議室
登壇者 田中社長、両角副社長、高橋専務、嶋谷専務、石川専務、高木本部長、明田室長 (司会)

質問者1

ドコモのLTE料金プラン (Xiパケ・ホーダイ フラット: キャンペーン料金 ¥4,410) への対抗スタンスは? また、ヘビーユーザーへの従量課金に対する考え方は?

¥4,410の料金設定は期間限定のキャンペーンであり、われわれに対する影響は少ないと見ている。そのため、現時点で対抗策は考えていない。ドコモ側がLTEの料金面でここまで踏み込んだ背景には、LTE側へトラフィックを移していかないと、ネットワーク的に厳しい状況があるのではないかと想像している。
また、ヘビーユーザーへの従量課金については検討項目のひとつではあるが、われわれの競争力の源泉である固定・モバイル・Wi-Fi・CATVなど強固なインフラを活用し、トラフィックをオフロードさせることで、従量制を導入することなくトラフィックを効率よく収容できると考えている。

今期のスマートフォンの販売台数は500万台を超えるとのことだが、販売コストがかかることで収益が圧迫されるのではないか? 今回業績見直しを行わなかった理由は?

iPhoneを発売して10日経ったが、まだ影響を見定めることができていない。従って、今回はスマートフォンの販売台数のみ修正したが、必要があれば3Qの段階で業績を含めて見通しの修正を行いたいと考えている。
また、iPhoneの投入により新規獲得の増加と、ARPUの高いお客さまを獲得できると考えている。足元のiPhoneの販売状況では新規3: 機種変更7の割合であり、想定通りの結果が出ている。今後iPhoneユーザーのARPUの状況や年末商戦の動向を見極めていきたい。
なお、今期はモメンタムの回復を第一優先としているが、業績目標の達成も目指していきたい。

質問者2

今期のARPU見通しに対して、データARPUの進捗が弱いようだが?

上期のデータARPUが計画を下回っているのは事実。法人顧客のデータARPUが計画を下回っていることが主な要因。今後スマートフォンの浸透にあわせてリカバリーしてくるものと考えている。

Android の端末ラインアップが揃ってきたにもかかわらず、iPhoneの採用を決定した背景は?

われわれとしては、追い詰められてiPhoneを投入したわけではない。今期はモメンタム回復、来期はマルチプラットフォーム戦略を進めようと考えており、大きなシェアを持つiPhoneを外すことは考えられなかった。iPhoneが好きなお客さまが一定数存在するのは事実であり、それによってさまざまな影響はあるものの、純増シェアの向上や高ARPU層の獲得を考えると投入する意義はあると判断した。
販売面でのAndroid とiPhoneの喰い合いについては、iPhoneを含めて全体として良いポートフォリオになると考えている。足元ではiPhoneの販売によってAndroid の販売が低調になっているということはない。

質問者3

Android の端末価格をiPhoneの価格水準に近づけざるを得ないと考えるが、そのバランスについてどう考えているのか?

端末価格については、さまざまな要因により現在の状況になっている。
月額料金についてもキャンペーン料金として4,980円の水準としているが、質の良いネットワークを訴求することによって、お客さまに受け入れていただけるものと考えている。

来年7月からは新800MHz帯5MHz幅での運用となるが大丈夫か? もっと2GHz帯エリアを整備すべきではないか?

一部で誤解があったようだが、auのiPhoneは新800MHz帯と2GHz帯の両方に対応している。
また、新800MHz帯については既に日本全国をカバーしており、2GHz帯についてもエリア整備が進んでいる。現状ではオフロードを行わなければ2013~14年頃にネットワークがオーバーフローすると見ており、ネットワーク整備と合わせて、お客さまがWi-Fiを使いたくなるような仕組みを考える必要がある。
一例として、ISW11HT EVOの事例では、約8割のお客さまがWiMAXを利用し、そのお客さまのトラフィックの約半分がWiMAXに流れている。まだWiMAXのエリアは完全ではないが、われわれとしては2013~14年時点での想定トラフィックの約5割をオフロードすることができれば、2015年までは全体のトラフィックを収容することが可能だと考えている。ヘビーユーザーへのトラフィック制限は引き続き行うものの、従量制料金の導入は避けることができると考えている。

質問者4

マルチネットワークを進めていく上での設備投資の考え方は?

現在は競争環境が変わる局面に来ていると考えている。増大するトラフィックをモバイルネットワークのみで収容できないのは明らかであり、固定とモバイルをセットで考えないとお客さまのニーズに応えることはできない。
投資効率の面では、昔はネットワーク機器が高かった一方、バックホールの回線コストや工事費の影響は少なかった。最近では高トラフィック化によりバックホールコストや賃料などが嵩むようになってきた。その意味で、WiMAXやLTEのバックホールをシェアリングすることでコストを抑えることが有効になってきている。
なお、現時点ではLTEの展開予定を明確には決めていない。当面は、来年4月に3GでEV-DO Advancedを導入していく。また、増大するトラフィックを全て3G+LTEで収容することは無理なので、WiMAX、Wi-Fiへのオフロード施策も進めていく。

iPhoneの投入によりお客さまの選択肢は広がったが、販売が分散することでAndroid 端末が売れ残るリスクも出てくるのでは? 今後のAndroid 端末メーカーとの付き合い方は?

iPhoneの販売が増えるとAndroid 1機種あたりの販売台数が少なくなるのはご指摘のとおりであり、メーカー側はそれらの端末をグローバル市場で何台売るかという点が重要になってきた。われわれも周波数をグローバル標準に合わせていくため、今後はグローバルモデルの調達比率が上昇していく。グローバルモデルメーカーから端末調達を受ける場合、フィーチャーフォン時代と比べると、1モデルあたりの最低発注台数はそれほど大きいものにはならないと考えている。
一方、出荷台数が減少しているメーカーにとっては、メーカー間での価格競争は厳しくなるため、端末の差別化が必要になってくるのではないか。

Android、iPhoneを導入したことによる今後のコンテンツ戦略は?

コンテンツ面については、いくつかの試みを考えている。足元の1ユーザー当たりのコンテンツ利用料はフィーチャーフォン時代の利用料を超えており、それほど心配していない。ただ、iPhone時代はゲームチェンジが必要になってくると考えており、クラウド型・Web型などの上位レイヤでのサービスを展開すべく戦略を立案している。

質問者5

iPhoneの販売による短期的・長期的な業績への変動要素は?

変動要素としては、総販売台数、新規比率、ARPUの3点。

ドコモのXiの音声料金 (Xiトーク24) は無料通話との決別のように見える。一方KDDIはさまざまな料金施策により、結果として音声料金が一番安いキャリアになっているように見える。ドコモのように音声料金を全面的に見直すことは考えないのか?

「ともコミ (プランZシンプル)」として網内定額を打ち出したが、ご指摘のとおり料金面で複雑な部分もあり、料金プランの良さがお客さまにストレートに伝わっていないのは事実。今後は分かりやすくしていきたい。

質問者6

iPhoneの販売により経営目標 (ARPU、販売台数、コンテンツ戦略など) がどう変わっていくのか?

今回修正したのはスマートフォンの販売台数のみだが、それ以外の数値については12月末までの販売状況を見て判断していきたい。
今後、3M戦略における具体的なサービス面について発表することになると思うが、iPhoneの投入によって3M戦略を大きく変えることは考えていない。なお、期初計画にはiPhoneの販売は織り込んでいないので、今後その差分が表れる可能性はある。

固定通信事業の通期見通しに対する進捗のうち、営業利益が突出して上振れているように見えるが、来期もこのトレンドが続くと考えてよいか?

固定通信事業の上期の上振れ要因は、コスト削減とFTTH獲得のショート。下期はFTTHの拡販を進めるため、通期業績は期初計画並みと考えていただきたい。また、コスト削減の余地はまだあると考えており、ネットワークのスリム化も引き続き進めていく。

質問者7

MNPが改善された後の純増に対する考え方として、MNP以外の純粋な新規契約を獲得するための他社との差別化戦略は?

純増に対する考え方として、まず通常端末を伸ばしていきたい。また、データカードで出遅れているのがわれわれの弱みでもあり、Wi-Fiルーターなどを軸に純増を増やしていく。そのほか、mamorinoやMi-Lookなどジュニア・シニア向けの端末にも取り組んでいく。

量販店の強化策についてはどうか?

去年までの反省としてauショップにシフトしすぎた面があった。今期は量販店にも力を入れており、店内シェアが獲得できている量販店も何社かある。また、関東圏では併売店がお客さまにタッチポイントを持っており、量販店と併売店を含めて販売網を構築していきたい。

質問者8

データオフロード施策による設備投資への影響は?

通常はトラフィックの増加に伴い3GやLTEの基地局を建てることになるが、Wi-Fiへオフロードすることによってコストが抑制できる。たとえば1局あたりのコストとして、エリアの広さは違うものの、基地局は1,000万円弱のコストがかかるのに対し、Wi-Fiのアクセスポイントは10万円以下で収まるので、確実に投資抑制につながる。
また、駅など混雑している場所や、夜間の家庭での利用が携帯のトラフィックの大部分を占めているので、仮にこの部分をオフロードできれば、かなりの改善が図れる。現時点で具体的なオフロード率などの数字はないが、今後お話する機会もあると思う。

3M戦略を進める中で、逆に投資が増えてしまうことはないか?

設備投資が抑制の方向に向かうことは明らか。

質問者9

iPhoneの販売のうち7割が機種変更とのことだが、au全体の機種変更の中でiPhoneの占める割合が上がった場合の影響は?

具体的な回答はご容赦願いたい。




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