国民年金基金の財政 |
国民年金基金は、加入員の掛金を積み立て、それを財源として将来の年金給付を賄うという事前積立方式で運営されています。そこで、各基金及び国民年金基金連合会は、年金財政を安定的に運営できるよう、毎年度末において全ての加入員や年金受給者などについて将来の給付に必要な原資として保有すべき額、即ち責任準備金を算定し、これと現に保有する資産と比較して必要な原資が確保されているかどうかを検証しています。 平成22年度は運用環境が厳しかったことから、運用利回りがマイナス2%となり、責任準備金に対する積立不足額の割合も約4%増加し、33%程になっております。 このように、年金財政の年度末の状況は、市場の動向に大きな影響を受けるため、短期的には年度によって変化しますが、年金制度というものは中長期的に運営していくものであり、資産運用に関しても中長期的な運用方針を定めて、これを堅持して行くことが、結果的に必要な収益を確保する最善な方法であると考えております。 また、国民年金基金制度は平成22年度時点では給付費(900億円)は掛金収入(1,245億円)の7割程度と掛金収入が給付費を上回っている状態であることから、長期的な視点からの資産運用に適した環境であるといえます。 なお、基金の年金財政の安定化を図るため、国民年金基金連合会で財政調整事業および年金財政安定事業を行っていますが、平成22年度末で各基金の年金経理の資産とは別に、179億円の準備金を持っています。 |
■年金財政の推移(単位:億円) |
平成 13 年度 |
平成 14 年度 |
平成 15 年度 |
平成 16 年度 |
平成 17 年度 |
平成 18 年度 |
平成 19 年度 |
平成 20 年度 |
平成 21 年度 |
平成 22 年度 |
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給付確保事業(基金1口目) | 1資産額 | 7,156 | 6,704 | 8,613 | 9,652 | 12,154 | 13,280 | 12,007 | 9,735 | 11,735 | 11,561 |
2責任準備金 | 8,487 | 9,467 | 10,601 | 11,584 | 12,572 | 13,596 | 14,503 | 15,684 | 16,503 | 17,253 | |
3実質過不足 (注) (1-2) |
△1,331 | △2,763 | △1,988 | △1,931 | △418 | △316 | △2,496 | △5,948 | △4,767 | △5,692 | |
基金2口目以降(全基金合計) | 4資産額 | 6,701 | 6,310 | 8,072 | 9,049 | 11,463 | 12,524 | 11,297 | 9,105 | 11,006 | 10,903 |
5責任準備金 | 7,906 | 8,841 | 9,917 | 10,883 | 11,832 | 12,832 | 13,734 | 14,863 | 15,714 | 16,504 | |
6実質過不足 (注) (4-5) |
△1,205 | △2,531 | △1,845 | △1,834 | △369 | △308 | △2,437 | △5,758 | △4,708 | △5,601 | |
中途脱退事業(連合会) | 7資産額 | 1,321 | 1,297 | 1,774 | 2,176 | 2,939 | 3,419 | 3,257 | 2,751 | 3,439 | 3,521 |
8責任準備金 | 1,565 | 1,833 | 2,209 | 2,619 | 3,066 | 3,539 | 3,976 | 4,474 | 4,844 | 5,217 | |
9実質過不足 (注) (7-8) |
△244 | △536 | △435 | △443 | △127 | △120 | △719 | △1,723 | △1,406 | △1,696 |
(注)実質過不足は、その年度までの累積です。 |
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資産運用状況 |
国民年金基金は信託銀行・生命保険会社・投資顧問会社・全国共済農業組合連合会および全国共済水産業協同組合連合会に直接運用を委託するほか、国民年金基金連合会に資産を拠出し合同で運用しております。平成22(2010)年度末の資産残高は約2兆6,194億円となっており、そのうち国民年金基金連合会において、約2兆3,015億円(88%)を運用しています。 |
図1 国民年金基金の資産額の推移 |
※平成16年度までは運用報酬額を控除した額となっています。 |
図2 国民年金基金の運用利回りの推移 (単位:%) |
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国民年金基金連合会の資産運用状況はこちら |
資産運用用語集はこちら |
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