[御食事]カブトガニの丸焼き(DRAGON Seafood & Sharkfin) 2007/04/22
〜昨年9月〜 日本人なら「カブトガニは天然記念物」という認識を、半ば常識として刷り込まれている人が大多数だろう。私もその一人だった。が、タイ・バンコクへ旅行中のこと。シーフード店の店先に置かれたメニューをなんとなく広げてみたところ、私の陳腐な常識を覆すこんな一品を見つけてしまった。 タイ語・中国語・英語・日本語で表記されていたものは… 焼きカブトガニ これは食べずにはいられない。早速注文しようとしたところ、 店員さんが「本日は入荷してません」。 その後も同じ店に通ったもののカブトガニは入荷することなく、バンコクでクーデターが勃発する中、日本へ戻ることになった。 「あぁ、カブトガニ……」 〜今年4月〜 またもやタイに渡航する機会に恵まれた私は、バンコクに到着してすぐにあのシーフード店に向かった。 が、しかし。またもや店員さんが「本日は入荷してません」。 どうやら元々流通量が極めて少ないらしい。 ダメモトで「すっごく食べたいから予約出来るか?」と聞いてみたら、 なんと「明日なら入荷出来ます」というお答え。 〜翌日〜 【の】「カブトガニある?」 店員「はい、入荷しました!」 店先の水槽から取り出し誇らしげに見せてくれたカブトガニ。 店内に入り席に着き、待つこと約15分。 焼きカブトガニ 裏返しにされ、頭部?を剥がされた状態で皿に盛られていた。 ツヤツヤだった甲羅は真っ黒に焦げている。 (※食べ終えた後に撮影) 剥がされた部分。 大量の粒々が詰まっていて香ばしい匂いを放っている。 このカブトガニはメスで、直径3〜4mmくらいの黄緑色の粒々はその卵。 カブトガニ料理はこのメスの卵だけを食べるのが一般的。 カブトガニは“カニ”と名がついてはいるものの、生物学上の分類ではカニの仲間ではなくクモ・サソリ・ダニ等に近い仲間であって、根本的にカニ類とは身体の造りが異なり、6対12本の足や尾剣は食べる箇所ではないそうだ。しかも身体の一部には毒性があるのでむやみに卵以外は口にしないほうが無難だということ。 甲羅にこびりついている卵をスプーンで削り取り別皿に取り出してみた。 これで全量のほぼ半分くらい。 卵をほとんど取り出して体内を確認。 確かに卵以外に食べられそうな部分は見られない。 付け合せで出てくる青マンゴーのサラダ(左) 味付け用のナンプラーと辛子(右) まずは一粒口に入れてみる。放置されて固くなったチョコレートのような歯応えで、鶏卵の黄身を苦くしたような味。噛めば噛むほど海産物らしい香りが鼻に抜ける。ナンプラーと辛子に漬けて食べ続けると、無性にサッパリしたものが欲しくなる。そこでピッタリなのが付け合せのサラダ。酸っぱくて少しだけ辛く、お口直しにベストマッチング。ちなみにこのマンゴーサラダ、カブトガニ料理なら欠かせないサイドメニューだそうだ。 さて、カブトガニの味は特別美味しいというわけではなかったのに、お値段だけは500バーツ(約1700円)とタイでは明らかにお高めの価格設定。同店のメニューと比べると、フカヒレの姿煮と同等のお値段である。不思議に思っているところに店員さんがその理由を教えてくれた。カブトガニは味よりもその効能に価値があり、特に滋養強壮によく効くらしい(しかも、“下半身”にその効果が顕著であることを身ぶりで教えてくれた)。 貴重な食材を味わえて満足なランチだった。 ※お店情報※ DRAGON Seafood & Sharkfin Restaurant(日本語不可)
セントラルワールドプラザの道向かいにあるBicCラチャダムリ店からプラトゥーナム方面へ徒歩1分。 本気で食べたいなら事前予約がお勧め。
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