教員の評価手法を話し合った「教員の資質向上・教育制度あり方検討会議」の専門部会=県庁で
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県教委が前年度に本格実施した、教員の自己申告と管理職の査定を組み合わせた二種類の教員評価制度は、一万五千人を超える全教員が横並びの結果だった。四日に開かれた「教員の資質向上・教育制度あり方検討会」の評価専門部会は、この制度が議論の中心となり、県教委側は「評価する側が慣れていなかった」と説明したが、委員からは横並びになりやすい仕組みを修正するべきだとの指摘も出た。
この評価制度は人事院が二〇〇五年、給与に評価を反映させるよう勧告したのを受けて導入。賞与へ反映される「自己申告による評価」と、給与へ反映される「給与査定等資料」の二種類がある。
前年度の結果は、AからEまで五段階ある「自己申告」は、県内の教員一万六千七百六十七人全員が総合でC評価。AからCの三段階の「給与査定」は、一万七千四百八十九人全員が総合でB評価だった。
「自己申告」は教員が自分で立てた目標の達成状況を自己評価し、さらに校長らが四十点満点で採点する仕組み。「給与査定」は、「学習指導」や「研究・研修」などの四項目を、校長が意欲、実践力などの観点から三段階で評価する。
完全な横並びの結果に、あり方検討会議の委員から「非常に奇異な感じがする。合議がないと横並びにならないのでは」と疑問の声が上がった。県教委は「初めての本格実施だったため、評価する側が慣れずに中間に集中した」と分析した。
「自己申告」に対しては、評価が真ん中に偏りやすい仕組みも問題視された。四十点満点の点数に応じてA〜Eの五段階に分類するが、Cだけが十八点以上三十八点未満と幅広いためで、県教委も「Cの範囲が広すぎて、皆がそこに入ってしまう面は否定できない」とする。
民間企業で人事を担当する委員は「民間では、全体の業績を上げるために評価の高い人が報われる仕組みが必要。こうした点数配分は変えないといけない」と改善を求めていた。
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