大阪市の橋下徹市長が率いる地域政党「大阪維新の会」が次期衆院選に向けて近く立ち上げる国政政党の「目玉候補」の顔ぶれが、少しずつ見えてきた。
一番知名度があるとみられるのが東国原英夫前宮崎県知事(54)で、維新の会としては無党派層の取り込みを目指す狙いがあるようだ。東国原氏は現時点では出馬は「白紙」だとしているが、橋下氏を称賛する発言を繰り返しており、含みを残している。
東国原氏の擁立は、維新の会の幹部の話として、新聞各紙が2012年9月4日に伝えた。
11年1月の知事退任後、11年4月の東京都知事選に出馬。169万票を獲得したが、石原氏に100万票の大差をつけられ落選した。その後はバラエティー番組を含むテレビ出演や講演活動を行っている。ネット上では、パチンコ店に出向いて営業していたことが話題になったこともあり、今後の身の振り方が注目されていた。
ツイッターのアカウントも開設しているが、その内容は日々の移動日程がほとんどで、
「このツィッターの場では、政治・行政・社会問題・世相等に関する所感などは余り呟かないことにしています」
と、政治関連の発言は控えている。ただし、同時に、政治的な発言をする媒体として挙げたのが以下。発言の意欲は旺盛で、ツイートされる移動日程の大半が、番組出演にともなうものだ。
「LF『ザ・ボイス!』大阪ABC『キャスト』関テレ『たかじん胸いっぱい』TBS『昼おび』テレビ愛知『トコトン1スタ!』テレ朝『TVタックル』『メルマガ』」
その東国原氏が、維新の会からの出馬について、思わせぶりな発言を繰り返している。9月5日昼放送のフジテレビ「知りたがり!」のインタビューでは、
「何も聞いていませんし、何もオファーもいただいていない。一切白紙の状態。当事者が一番びっくりしている」
と、出馬の意向について明言を避けたものの、その可能性については
「ゼロではない」
とした。また、「誰が首相になって欲しいか」という問いには、
「やっぱり橋下さんですね」
と即答。国政の手腕についても、
「十分だと思う。ご本人ではなく周りが支えていくこと。周りのブレーンをしっかり持っている」
「国会運営というのは海千山千なので大変なこともあると思うが、首長、総理大臣としての資質は、私は申し分ないと思う」
と絶賛した。
「師匠」にあたるビートたけしさんは、9月4日夜にテレビ朝日で放送された「TVタックル」で、東国原氏の出馬が取りざたされている背景に言及している。
「結局、こういう動きは、みんなの党?あれがどうも魅力が薄まっちゃってて、あそこに行くのはちょっと(勝ち目が)薄い。やっぱり維新だろうって、みんな思ってるんじゃないの?」
つまり、東国原氏は「みんなの党では勝てそうにないので、維新の会になびいた」という見立てのようだ。なお、みんなの党は維新の会との協議が物別れに終わり、党が分裂することが確実視されている。
維新の会の国政選挙をめぐっては、東国原氏以外にも中田宏前横浜市長(47)や山田宏前東京都杉並区長(54)の擁立が取りざたされており、3氏は維新の会が9月9日に開く「公開討論会」に参加し、新党に合流する見通し。
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