加ケベック議会選は独立派勝利、党首演説中の発砲事件で1人死亡
[モントリオール 5日 ロイター] カナダ・ケベック州で4日、議会選が行われ、独立派の野党ケベック党が、与党・自由党を抑え9年ぶりに第1党になった。ただ、ケベック党のポリーヌ・マロワ党首の勝利演説中、会場内で男が発砲し1人が死亡する事件が起こり、同党勝利に暗い影を落とした。
カナダは比較的犯罪率が低い上、政治にからむ暴力犯罪はまれなため、今回の事件発生で衝撃が広がっている。
議会選では、ケベック党が全125議席中54議席を獲得し、50議席の自由党に小差で勝利。しかし、過半数に届かなかったことから、カナダからの分離の是非を問う住民投票の実施は難しくなった。
同州初の女性首相となるマロワ氏は演説で、ケベック州はいつの日か独立を勝ち得ると支持者に訴えていたが、事件発生を受けボディーガードに付き添われ壇上から避難した。マロワ氏はその後、壇上に再び戻り演説を締めくくった。
警察によると、50歳くらいの男が会場に侵入し2人に向け発砲。2人は重体となり、うち1人の死亡が後に確認された。男は現場で「英国系住民が目を覚まそうとしている」と叫んでいたいう。また、男は会場の建物に放火した疑いも持たれている。
同州では、ケベック党政権時代の1980年と1995年に分離独立の是非を問う住民投票が行われたが、独立派がいずれも敗れている。
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