埼玉県立自然史博物館 自然史だより 第38号 1999.03カブトエビ
−神出鬼没な草取り虫 その2−
井 口 巌
昨年度の自然史だより35号に、カブトエビの紹介と情報提供のお願いをしたところ、多くの方々から情報をいただくことができました。情報ありがとうございました。紙面を借りてお礼を申し上げます。
それをもとに、県内のカブトエビの分布調査の中間報告(市町村単位)をします。県下92市町村のうち、22地区で発見の情報がありました。そのうち、アジアカブトエビは、1カ所のみの出現で、22カ所からは、アメリカカブトエビの情報をいただきました。残念ながらサンプルが手に入らなかったケースが多く、聞き取りによっておそらくアメリカカブトエビだろうという、未確認情報も含まれています。また情報をもとに現地を訪ねたところ、カエルの幼生をカブトエビと見誤っていたケースもありました。また、情報によっては、「この辺りでは、どこの田圃にもいるよ」的なものもありましたが、具体的に存在が確認されていませんので、これは省いてあります。まだ十分な情報が得られていませんので、今後も引き続き調査を継続しますが、次回からは、カブトエビの他に、カイエビ(図2:甲殻綱、鰓脚亜綱、貝甲目、カイエビ科)も調査対象にしたいと思います。カイエビもカブトエビやホウネンエビと同様な環境で生息し、混生していると思われます。あわせて情報をお待ちしています。なお、種類を同定するために、サンプルが必要なので、数個体を採取して(そのまま冷凍庫で凍結させておく)いただければ幸いです。みなさまからの情報をお待ちしています。(連絡・問合わせ先は、埼玉県立自然史博物館 〒369-1305 埼玉県秩父郡長瀞町大字長瀞1417-1 Fax.0494-69-1002 E-mail sizensi@po.kumagaya.or.jp
(いぐち いわお・主査)
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