2012年05月01日
もう一度考える、5つの鉄板質問/その4<入社後はどんな仕事に就きたいですか>
先週の4月23日、24日と、秋葉原で開催された日経就職ナビ「キャリアフォーラム東京会場」で、グループディスカッションやエントリーシート、面接対策など、各日3回の講演をしてきました。中でも、これから就活を始める、やり直す人たち向けの講演では、簡単なワークをしながらこれからの就活では何が必要なのかをお伝えしました。5月11日(金)にも水道橋東京ドーム側の「プリズムホール」にて開催される「キャリアフォーラム東京会場」で講演をするので、気になる人はよかったらご参加くださいね。お待ちしています。
前回の「当社は第一志望ですか」に引き続き、今回の代表的な5つの鉄板質問は「入社後はどんな仕事に就きたいですか」です。以下のようなケースで考えてみましょう。
case 4 合説で見つけた会社で、ぜんぜん業界研究をしていなくて、志望理由が見つからない
昨年11月からそれなりに就活をがんばってきたDさんでしたが、最初に志望していた企業からことごとくお祈りされ、5月からあらためて就活をスタートすることになりました。たまたま偶然合説会場で出会った会社の話を聞いたところ、とてもフィーリングがよく、なんとなく自分にあっているような気がしました。でも、今まで志望してきた業界とはぜんぜん違うのでなんの研究もしていないし、3日後に開催される説明会と一次面接でどんな志望動機を言えばいいのかわからないので、どうしようかと悩んでいます。
面接の場面で「入社後はどんな仕事に就きたいですか」と聞かれる場合、一般的にはその企業について、特に具体的な仕事内容についてどれだけ理解をしているか、またその仕事に対する適性がどれだけあるかを測っていると考えられます。ですから、入社後だけではなく、ゆくゆくはこんな仕事をしてみたいと、将来的なキャリアビジョンも含めて語ってくれると、面接官としても合点がいくものになります。志望動機や「どんな仕事をしたいのか」をまとめるためには、本来的にはOB・OG訪問をしたり、営業所や店舗、工場など現場を見学したりして、業界研究、企業研究、職種研究をしっかりする必要がありますが、場合によってはそれができないこともあります。
たとえば、ケース4であるように、たまたま出会った企業の選考がすぐに始まるような場合です。就活の常識からすると、業界研究、企業研究ができていなければいけないので、結局中途半端な志望動機になってしまったり、あるいは最初から選考を辞退してしまったりする就活生もいるようです。ぼくとしては、なんとなくでもフィーリングが合っているのであれば、実はそれを志望理由にしてもなんの問題もないし、そもそも十分な業界研究、企業研究を必ずしなければいけない訳ではないと思っています。もちろんそのための十分な時間があればするにこしたことはないのですが、現実的に午前中に会社説明会をおこなって、その後に適性テストと一次面接をするような企業もあります。就職ガイダンスなどでおしえてもらった就活のセオリーどおりにはいかない場合、そこにこだわっていては前に進めないし、せっかくのチャンスを逃してしまいます。
では、実際にそんな場合の志望動機はどうすればいいか、ですよね。それは、その時の会社説明会の中で聞いた話をもとにすればいいことだし、企業研究、職種研究が必要であれば、面接の場で自分から質問すればいいと思います。ま、良い意味で「出たとこ勝負」ですね。そんなことを言うと、よく「面接で自分から質問してもいいのですか」と聞かれますが、なんら問題ありません。というより質問した方が、きっと面接官は評価してくれるはずです。なぜなら、面接はお互いが理解し合う場だからです。面接官からの質問に、一方的に答えるのが「面接」ではないのです。で、もし質問をするのであれば、「入社後の具体的な仕事内容」や「新入社員の一日」などを聞いてみるのが良いと思います。そこに、その会社の本質がかいま見られるし、志望動機を考える上でとても参考になりますよ。
たくさんの就活生と接してきてぼくが思うのは、いわゆる就活の常識や手順にこだわりすぎていたり、自分で勝手な思いこみをしたりして、自分で自分のチャンスを逃している人が少なくないということです。就活は何でもありだし、どんなことでも挑戦して欲しい。そんな主体性がある、その人らしさに面接官は心を動かされるのです。
次回は、「もう一度考える、5つの鉄板質問/その5<今までどんな就職活動をしてきましたか>」です。
めざせ!自分らしい就活
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