定型発達者もつらい…かな?

花風社・浅見淳子のブログ

「この人は本物だ」と思った言葉

2011-05-25 09:15:37 | 日記
発達障害がどうしてバラエティ豊かになるか
それを脳みそ先生は胎児の脳の発生機序から説明してくださった。

はああ、なるほど、と思った。

人によってバグがある機能が違うのだから
リハビリも違って当然なのだ。

すぐれた療育家はそれを知っているだろう。
だから感覚統合の専門家である岩永先生も、地元支援のときにはさまざまな手法を取り入れられている。

ネット上で匿名(のつもり)であれやこれやくだらない議論をしている吉川なんていうのは
きっと場数を踏んでいないか、そもそも「治療」という意識がないのだろう。
治療のできない支援者はしばしば啓蒙方面に走る。
啓蒙も大事だ。
でも医師じゃなくてもできる。
そして啓蒙方面に走って帰ってこなくなったらそれはもう遭難。

最初にABAやTEACCHや感覚統合があるのではない。

最初になんらかの脳のバグを抱えた子どもや大人がそこにいる。
その子に合った療法の組み合わせがその子にとってのベストソリューションであり
自分の理解の及ばない子への口出しは無知に基づく越権である。

その子どもや大人のQOLを上げるのが支援ということであって
「どの療育方法が正しいか」を議論するのはある時点を過ぎると周囲の勝手な暇つぶしでしかない。
暇つぶしは勝手だが他人の子を巻き込むことには慎重であるべきだ。
ベムが自分の子のことをブログに書こうとかまわないがよそのお子さんの顔までさらす権利がないように。
「頑張れる子にはしたくない」という方針を持つ吉川が、大地君の療育に口出す権利がないように。

ところで脳みそ先生は、色々な手法をご存知である。
自腹を切ってお勉強お勉強の連続だ。

どうしてそんなに色々なお勉強をして治療にとりいれるのか
私は訊いた。
その答えを聞いて、この先生の本を出したいと思った。

そのときの言葉を新刊から抜粋します。

=====

 僕は基本的には子どもの療育時代から「なんでもあり」という考え方でやってきました。子どもが多様なだけに、こちらとしては多様な手段を用意しておいて、子どもに合わせて色々なことをやってきたんです。
 親御さんの考え方も多様なので、色々なやり方を見せておいて、さあ、どれにしましょう、と選んでもらうというやり方をしてきたんです。
 それでも、多様な技法の中に共通するものが見つかったり、療育マインドというべき、療育の基本的な考え方が共通していたりします。
 ともかく、大切なのは治療者がどういう理論や技法を信じるかではなく、目の前の人に何が役立つかではないでしょうか。そういう意味で僕はあらゆる技法を頭から否定してかかることはしませんでした。自分で勉強してみて、自分で使ってみて、良いところを自分にできる範囲で使ってきたんです。

=====

そう。
大事なのは治療者の信念ではない。
目の前の人に何が役立つか。
当たり前のことが、発達障害の世界ではしばしば無視されているように思えるのは私の偏見?

そうであってほしいですね。
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