政府は28日の閣議で、2012年版厚生労働白書を決定した。社会保障の負担と受益の差が、高齢世代ほど「得」とする考え方について、生活水準や負担能力の向上も考慮する必要があると強調。「『今の高齢者だけがやたら恵まれていて、現役世代は不幸だ』とは一概にはいえない」と訴えている。
厚生年金の世代間における負担と給付の関係をみると、1940年生まれの人は支払った保険料の6.5倍が給付される。これに対し、1980年代生まれ以降だと2.3倍にとどまる。
ただ、白書は、(1)社会資本ストックの恩恵(2)教育や子育て支援の給付(3)親からの1人当たりの相続財産―などに関しては、今の若者世代の方が高齢者の現役時代より大きいと指摘。世代間の公平・不公平を論じるには、こうした視点も考慮することが重要としている。
[時事通信社]