政府が尖閣諸島(沖縄県石垣市)を20億5000万円で購入することで地権者と合意したことが5日、分かった。政府筋が明らかにした。政府は月内に、2012年度予算の予備費から購入費を拠出することを閣議決定する。
尖閣諸島をめぐっては、中国に厳しい姿勢を取る石原慎太郎東京都知事が先行して買い取る意向を表明していたが、中国などとの関係悪化を懸念する政府が直接購入することで、国有化される見通しとなった。
政府が購入するのは魚釣島、北小島、南小島の3島。関係者によると、長浜博行官房副長官が地権者側との詰めの交渉で、最終的に折り合ったもようだ。政府は、石原氏が求めていた漁船の避難港などの整備にも原則応じない方針。長島昭久首相補佐官は4日、石原氏を都内の自宅に訪ね、地権者側との交渉の経緯を伝えた上で理解を求めた。
[時事通信社]