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放射線と除染_34 除去の実際・使用要領 [医学~臨床]

今日から、体内放射性核種除去剤ごとの、使用要領について勉強していきます。
一部、または除去剤によってはほとんどが既に個別の記事で触れていて
復習を兼ねた内容になります。


1.DTPA: diethylene-triamine-pentaacetic acid; ジエチレントリアミン5酢酸
セリウムやジルコニウム、亜鉛、マンガン、トリウム、ウラン等のキレート剤です。
http://mainichi-benkyou.blog.so-net.ne.jp/2011-04-12でも触れました。

実際にはカルシウム塩(Ca-DTPA)や亜鉛塩(Zn-DTPA)として投与されます。
効果としてはカルシウム塩>亜鉛塩ですが、毒性も同様にカルシウム塩の方が強いので
長期投与や妊婦への投与には亜鉛塩の方がベターといえます。
http://mainichi-benkyou.blog.so-net.ne.jp/2011-04-15でも触れました。

5%ブドウ糖液250mlにCa-DTPA1gを溶かしたものを、
1時間以上かけて点滴で投与します。1日1回、週5日投与が原則です。
反復投与可能で、点滴中は血圧に注意します。
エアロゾル投与も可能で、1gバイアルを15~20分かけてネブライザー吸入します。
放射性核種に汚染された後できるだけ早期に投与するのが肝要です。

副作用は下痢・吐き気・嘔吐などの消化器症状、悪寒・発熱などの風邪様症状、皮膚掻痒感、筋痙攣など・
禁忌は骨髄抑制(白血球・血小板減少)や重症腎機能障害。
2.EDTA: ethylenediaminetetraacetic acid; エチレンジアミン4酢酸
亜鉛・銅・カドミウム・マンガン・ニッケル・超ウラン元素などのキレート剤です。
これもhttp://mainichi-benkyou.blog.so-net.ne.jp/2011-04-12で触れました。

カルシウム塩(Ca-EDTA)やナトリウム塩(Na-EDTA)として投与され、
鉛中毒の治療剤としての実績もあります。

Ca-EDTAならば、
患者さんの体重1㎏あたり1日分75mgを500mlの生理食塩水または5%ブドウ糖液に溶かし
2回に分けて点滴で投与します。
漸増投与が可能で、375mg/kgまで増量可能です(最高投与量は550mg/kgを超えない様に)。
経口投与は胃腸障害が起こるため行われません。

Na-EDTAならば、
患者さんの体重1㎏あたり50mgを500mlの生理食塩水または5%ブドウ糖液に溶かして
3~4時間かけて5日間点滴で投与します。
24時間内に3gを超えない様にします。

副作用としては腎障害がありますので、投与前に腎機能検査を行います。
一過性骨髄抑制・粘膜障害・悪寒・発熱・筋痙攣なども報告されています。


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