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2012年9月3日17時57分

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水がたまり「ゆっくり地震」誘発 広島大チームが解明

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図:「ゆっくり地震」発生の仕組み拡大「ゆっくり地震」発生の仕組み

 プレートの境界がゆっくりずれて起き、巨大地震の発生につながる可能性があるとして注目されている特殊な地震の仕組みを、広島大の片山郁夫准教授らのチームが突き止めた。水を通しにくい岩石の下に水がたまり、断層がすべりやすくなって起きるらしい。2日付の英専門誌ネイチャージオサイエンス電子版で発表した。

 南海トラフ沿いのプレート境界では、深さ30キロ付近で数時間から数カ月かけて断層がずれる「ゆっくり地震」が発生する。巨大地震はそれよりも浅いところで起きる。

 チームは、海のプレートから水がしみ出すことに注目。しみ出した水は上昇し、南海トラフの深さ30キロ付近にある「はんれい岩」がふたになって、水がたまるのではないかと考えた。

 チームははんれい岩と、プレートから水がしみ出す部分にある岩の水の通しやすさを高圧実験で比較。はんれい岩は水を通しにくいことを確かめた。また、水がはんれい岩に遮られてたまる様子を計算機で再現。水がたまると断層が滑りやすくなり、ゆっくり地震を起こすと推定した。

 国は、ゆっくり地震が発生する場所でも巨大地震が発生する可能性があるとして、南海トラフ巨大地震の想定震源域を陸に近い側に拡大した。(瀬川茂子)

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