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“浸透破堤” 100近い河川で危険性
9月4日 17時38分

“浸透破堤” 100近い河川で危険性
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7月の九州北部豪雨で、福岡県の矢部川は、川があふれなくても、しみこんだ水で堤防が決壊する「浸透破堤」という現象で、氾濫したとみられることが国の調査で分かりました。
さらに全国の100近い河川でも「浸透破堤」の危険性があることも分かり、国が対策を検討しています。

7月の九州北部豪雨で、福岡県柳川市では矢部川の堤防が決壊し、住宅などが広い範囲で水につかる被害が出ました。
国土交通省が調べたところ、決壊したのは川の水位が下がり始めたあとで、土砂や周囲の地盤に水がしみこみ堤防が壊れる、浸透破堤という現象で決壊したとみられることが分かりました。
これを受けて、国が管理する矢部川を含む全国の109の河川を対象に緊急調査を行ったところ、北海道の石狩川、関東の利根川や荒川、関西の淀川など95の河川の、合わせておよそ1000キロの堤防で、浸透破堤の危険性があることも分かりました。
浸透破堤が起きやすいのは、過去の工事で水を通しやすい砂が使われたり、地盤に砂が多く含まれたりする堤防だということで、国が対策を検討しています。
河川工学が専門で中央大学の山田正教授は「川があふれなくても堤防が決壊するおそれがあることを理解し、早めの避難を心がけることが重要だ」と話しています。

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