キックボクシング団体「RISE」のバンタム級王者・久保賢司(23)が4日、角海老宝石ジムに移籍し、プロボクサーに転向することを表明した。11月9日のデビュー戦の相手は、WBA世界バンタム級休養王者・亀田興毅の拳を破壊したことで知られる、WBA同級12位ノルディ・マナカネ(インドネシア)に内定。亀田を苦しめた男相手に実力を証明し、世界の頂点を狙う。
久保は昨年のK−1 63キロ級日本王者で魔裟斗2世と言われる久保優太の実弟。キックへの未練を断ち切って、覚悟のボクサー転向だ。
「蹴りよりパンチが得意。角海老ジムにはボクシングの練習に2年前から来ていて、いつかパンチ一本で勝負したいと思ってきた。やるからには、狙うのは一つ。途中でやめる気はない」
プロテストは今月18日だが、世界王者を目指す期待のホープとあって、ジム側は早くもデビュー戦に大物を内定している。今年4月に亀田興毅に挑戦して判定で敗れたものの、戦前のかませ犬的扱いを大きく覆す大善戦を見せたマナカネ。興毅の左拳を破壊し、休養に追い込んだ。危険なマーッチメークにも思えるが、萩森マネジャーは「勝てば評価も上がる。ハイリスクハイリターン」と鼻息が荒い。
この日、久保は東京都豊島区のジムで行った公開スパーリングで、1階級上の日本スーパーバンタム級10位久永志則と鼻血を滴らせながら激しい打撃戦を展開。「亀田さんを狙うわけじゃない。その時に頂点にいる人に挑戦したい」とキッパリ。甘いマスクでスター性もある。日本ではキックからボクサーに転向して世界王座をとった例はないだけに、注目される。 (竹下陽二)
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