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【サッカー】

ヤングなでしこ完敗も… 陽子「泣いている場合じゃない」

2012年9月5日 紙面から

ドイツに敗れ涙を流す田中美(左)の肩を抱いて支える田中陽=国立競技場で(由木直子撮影)

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◇U−20女子W杯<第9日>日本0−3ドイツ

 ▽4日、国立▽準決勝2試合

 U−20女子日本代表「ヤングなでしこ」は、2連覇を狙うドイツに0−3で完敗し、初の決勝進出はならなかった。試合開始わずか58秒で痛恨の先制点を許し、さらに前半に2点を奪われる最悪の展開。観衆2万8306人の声援を受け、後半は猛反撃を仕掛けたが、今大会無失点を誇るドイツの堅守を突き崩せなかった。8日の3位決定戦では、米国に敗れたナイジェリアと対戦する。

 この世代初の女王戴冠の夢がついえても、涙は見せなかった。「きょうは自分のプレーができなさすぎた。泣いている場合じゃない。次は本当に…。これで終わりじゃない」。0−3の敗戦から数十分後、田中陽は気持ちを切り替え、前を向いた。

 映像と現実は違った。わずか58秒での失点。1点を返そうと攻勢を仕掛ける前に、失点を重ねた。体を寄せると、手足で突っつかれた。3人に囲まれ、ボールを失う。わずかなことでバランスが狂い、チームメートとの距離は離れていった。

 「リスクを冒すところで、前に出られなかった」

 後半16分で交代を告げられ、連続試合得点は4で止まった。試合後には、「自分の責任」とピッチに崩れ落ちたDF土光に声を掛けた。「それは違う。全員それぞれがやっていないことがあった。1人のせいじゃない」。チーム最年少の16歳を優しくいたわった。

 田中陽はいつも心掛けていることがある。「いつも笑顔で、楽しく」。ポジティブに考えると、「心が安らぐ」という。試合後には、春先の故障で今大会出場が絶望となった同い年のFW京川舞(INAC神戸)と会い、「次、頑張れ」と言われて、気持ちがほぐれた。

 3位決定戦のナイジェリア戦に向け、心のスイッチを入れ直した。「足が速いし、怖いイメージはあるけど、空いたスペースを使っていきたい」。勝てば3位で銅メダル、再びゴールを挙げれば、得点女王の座に就く可能性もある。「得点王のチャンスはある。チームのために点を取りたい。どんどん、貪欲に狙っていく」。決戦は8日。ヤングなでしこのラストゲームで、田中陽はきっと輝きを取り戻す。 (関陽一郎)

 

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